すしやラーメンなど、ひとりで外食を楽しむ文化が根付いている日本とは違い、カップル文化のアメリカでは、ひとりで外食することに不自由さを感じる人が多い。25日付のニューヨークタイムズが、“おひとり様”外食事情をレポートしている。

OpenTableのデータによれば、アメリカにおける、ひとりでの外食の予約は2019年以降64%増加、Resyのデータでは22〜23年は21%増加している。OpenTableのデビー・スーCEOは、パンデミック後の出張増加やセルフケアへの関心が高まっていることなどが原因と分析。にもかかわらず、多くの人がひとりでの外食には気まずさや偏見、批判が付きまとうと考えている。「ひとりで店に入ると、いちばん悪いテーブルに案内され、給仕に無視され、食事の終わりには急かされることも多い。まるで二流市民のように扱われてうんざり」と嘆くのは、弁護士のラジカ・シャーさん。シャーさんは、従業員はチップに頼っているため、単独客には気を使わない傾向があるのでは?と推測。一方で、店側にも言い分がある。「1人用のテーブルは利益率が悪く、コストを圧迫する」というのだ。
社会心理学者のベラ・デパウロさんは、カップル重視の考え方はレストランに限ったことではないと、また、科学者たちは長い間、孤独がもたらす負の影響について研究してきたが、「孤独がいかに平和で自尊心を育む経験となり得るか」についての研究は少ないと指摘。ひとりで外食するなどの習慣を隠遁や孤独と関連付ける風潮に疑問を呈している。「本当に孤独な人は家にいて外食することもない。ひとりで外出する人は自信があるのです」。デパウロさんは、アメリカ人の成人の46.4%が独身(22年国勢調査のデータ)で、多くのカップルが寝室を別にしたり別々に暮らしたりする時代にあって、ひとりでの外食は社会的に受け入れられるべきだと考えている。
編集部のつぶやき
女性の場合は特に、ひとりで外食したりバーで飲んでいたりすると、男性から変な注目を浴び、中にはエスコートと間違えられる場合があるそうです。なんの気兼ねもなくひとり呑みできる日本が懐かし〜い。(A.K.)
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