2025年7月19日 COLUMN 編集後記

7月19日【気になったニュース】 州ランキングの変動にみるアメリカの“活力・競争のDNA”

皆さん、一週間お疲れさまでした。今週も、暑かったですね。セントラルパークの無料巨大屋外プールが人気なのも当然という感じです。

こちらにいると、“NYは第何位?”というランキングをよく見かけます。そして、NYはいつも最高最悪になっているような。。。そんなランキングですが、先日は、CNBCによる「全米ビジネスに適した州ランキング(America’s Top States for Business)」の2025年版が発表されました。同ランキングは、インフラや労働力、経済力、イノベーションなど10の分野で全50州を比較しており、今年は、North Carolina、Texas、Floridaが、トップ3でした。

面白いのは、ランキングがけっこう動くことです。たとえばOhioは、同ランキング開始早々の2007年には30位だったのが、2022年には15位、今年はついにトップ5入りを果たしました。インフラ整備(1位)や労働市場改善、イノベーションへの注力など、州が力を入れてきたからです。逆に、2022年2位のWashingtonは、事業コスト(41位)や事業のしやすさ(41位)、教育(33位)におけるランキングの下落で、今年は14位まで落ちています。

ちなみに、NYはといえば、珍しくほぼ真ん中の23位で、2007年以降も中位から下位をうろうろしています。ただし内容をみると、資金アクセスやイノベーション(ともに3位)、経済(5位)など、全米最高水準の項目がある一方で、事業のしやすさ(50位)、事業コストおよび生活費の高さ(ともに45位)など最悪水準の項目が足を引っ張り、“真ん中”あたりということで、こちらでも“NYらしさ”が出ています。一方で、Texasは常にトップ5を維持しており、『NYウォール街』から、『Texasの「ヨール街」』に金融が移っているのもわかるような気がします。日系企業でも、テキサスに本社を移す企業が増えていますし。。。

このような変動の激しさをみていると、国内の競争が、いかにアメリカ全体の活力を底上げしているかを感じます。翻って日本を見てみると、そもそもこのようなランキング(というか地域間競争)自体もないですしね。ますます東京への一極集中が進んでいるなかで、やはり国内の(健全な)ライバルがでてくることが、ビジネス・経済を含む地域の活性化だけでなく、国内全体の活力に繋がるように思います。

ちなみに、ChatGPTに、『この「全米ビジネスに適した州ランキング」に、“東京”を入れてみると、何位か?』と尋ねてみたところ、トップ3と答えました。コスト面では劣るものの、インフラや人材、イノベーションが高く評価されるからだそうです。ちなみに、大阪もTop10には入るようで、日本もまだまだ“アメリカ的な”ビジネスをするうえでも十分魅力的なようです。

昼間の酷暑は厳しいものの、湿度が低いからか、朝晩の風が気持ちいいのは、やはりNYの夏の良さですよね。週末も、暑さが厳しいようですが、朝晩もうまく利用して、快適にお過ごし下さい。

では引き続きよい週末をお過ごしください。

代表 武田 秀俊

今週の1枚

久しぶりにフェリーで、NYから帰宅。
夕方の優しい風に包まれながら、ウォール・ストリートをバックに帰路へ。
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