ニューヨーク富裕層の高校生が実生活をTikTokなどに投稿してバズっている。その甘やかされた実態に、地方のティーンが羨望の眼差しを向けているようだ。ニューヨークタイムズが17日、伝えた。

◆ 「日常の発信」に4万人のフォロワー
キーヴァ・レディーさん(16)はアッパー・イースト・サイド在住。朝は、制服を着て私立高校へ。途中、SNSで大人気のBlank Street Coffeeでオートミルク入りアイスラテを買う。インスタ映えランチはニューヨークの友達と“ニューヨークのエレウォン”(ロサンゼルスの食料品店。高価なセレブ御用達スムージーで有名)と呼ばれるButterfield Marketですしをつまみ、下校後はソーホーで、ティーンの間で人気の女性向けカジュアルブランドBrandy MelvilleやGarageでショッピングを楽しむ。
今年初めから開始したTikTokの投稿にはフォロワーが4万1000人。その多くは、地方のティーンだ。「私の夢」「私の子どもにもさせたい」といったコメントをもらうとレディーさんは話している。
アメリカ国内でも有数の私立進学校、ロヨラスクールの高校2年生、トリップ・ゴーマン君(16)もこの4月からTikTokに日々の生活を投稿している。当初はどう受け取られるか不安だったが、今では2万2000人のフォロワーがいる。新学期初日の出来事は300万回を超える再生を誇る。

◆ 「なぜこの動画がバズった?」
台湾生まれでアイルランド系アメリカ人の両親に養子として迎えられたゴーマン君は、生まれてからずっとニューヨークで過ごしてきた。自身のコンテンツがこれほど人気を博した大きな理由は「ニューヨークだから」だと話す。
「誰もがニューヨークを愛しているんだ」とゴーマン君。「ニューヨークの風景やレストラン、店を紹介しただけでバズる」
レディーさんも同意見だ。「なぜこの動画だけが他の動画と違ってバズったんだろう?と考え始めたの」「ニューヨークよ。ニューヨークは全てのティーンが知りたがっていたテーマだったのよ。ニューヨークの生活がどんなものか、みんな見たがっているの」
市内で最もバズっている高校生はアレグラ・ピンコウィッツさん(17)だ。Brandy Melvilleでアルバイトをしながらの投稿には15万人がフォロー。登校途中、地下鉄の前でふざけた動画を投稿することで注目を集めた。今では、インフルエンサー代理店のデジタル・ブランド・アーキテクツ(Digital Brand Architects)がエージェントで、ニューヨークマガジンは彼女を「ソーホーで最も人気のある女性」と評している。
レディーさんとゴーマン君は、自身のコンテンツへの関心の大半が、2007年に放映されて話題となったテレビドラマ「ゴシップガール」の人気に起因すると指摘する。ドラマはアッパー・イースト・サイドのエリート高校生の過激な生活を描写した小説が原作。今でもストリーミングを通じて、Z世代に人気があるという。その現代版ともいえるTikTok投稿。なるほど、バズるのも理解できる。
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