ニューヨークが世界に誇るピザ。“純正”のニューヨーク・ピザは街角のスライスショップにある。店に入ると、行列はたったと進み、オーブンはひっきりなしにスライスを温め直す。客は受け取ったピザを2つ折りにして歩きながら頬張る。この小気味よいテンポに乗ることが“純正”を楽しむ秘訣だ。9月23日付のテイスティングテーブルが解説している。

「出だしが肝心」と言うのはトニー・ジェミニアーニさん。つまり、どのように注文するかだ。ジェミニアーニさんは、サンフランシスコにあるTony’s Pizza Napoletanaのオーナーシェフで、ピザ作りに関する13の世界タイトルを持つ。店のスタッフは、客は既に何を注文するか決めていると想定している。自分の番が来て、まごつくと流れを止めてしまう。
ジェミニアーニさんは「『Cheese』ではなく『Plain(プレーン)』と注文すること」とアドバイス。これなら簡単だ。プレーンとはいえ、生地、ソースとチーズのバランス、焦げ目など店によって違いがある。その店のキャラクターがこれで決まり、ピザのコンテストでも使われているから奥が深い。
ジェミニアーニさんのおすすめの店はクラシックなNY Pizza SupremaとJoe’s Pizza。比較的新しい、Mama’s Too、L ‘industrie、Lucia、Ceresも試してみたい。「急いでいれば、そのまま持ち帰ることはできるが、ピザ本来の風味を引き出すためには必ず温め直すこと」。そして、「ダブルカット(さらに半分に切ってもらう)は禁物」とも話している。
ピザは通常1、2枚の紙皿に乗せて渡される。ワックスペーパーが敷かれていることもある。それを2つ折りにして店先や歩道を歩きながら食べるのがニューヨーカーだ。その際、油分(グリース)が垂れることがある。シャツについた油のシミは落ちにくいので要注意。
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