日本国外で最大級の日本酒イベント「ジョイ・オブ・サケ(The Joy of Sake)」が4月30日、ニューヨークで開催、約800人の来場者でにぎわった。約500銘柄がそろう同イベントには毎年コアな日本酒ファンが集まる。当日の様子をレポートする。

行列の先には一体何が?
ハワイでスタートし、昨年25周年を迎えた「ジョイ・オブ・サケ」。ニューヨークでの開催も今年で22回目を数え、会場には獺祭ブルーや八海山、菊水など、日本を代表する酒蔵がずらりと並んだ。

そんな中、ひときわ長い列で来場者の視線を集めていたのが、日本酒ブランド「IWA」だ。アッサンブラージュというシャンパン製法を取り入れた軽やかで洗練された味わいが特徴で、日本酒初心者やワイン好きからも人気を集めている。今、アメリカの日本酒シーンで最も注目されるブランドの一つと言っても過言ではない。

会場では、アメリカで販売されている銘柄だけでなく、日本でしか流通していない日本酒もテイスティングできる。吟醸酒、純米酒、大吟醸酒など、醸造方法ごとにセクション分けされているのも特徴だ。
「日本酒にハマってしまった」
また、日本国内のテイスティングイベントではあまり見かけない「スポイト」を使い、自分のカップに少量ずつ注いでいくスタイルも印象的だった。量やペースを調整しながら、多くの銘柄を楽しめる工夫がされている。

興味深かったのは会場の雰囲気だ。日本国内の酒イベントでは、来場者の中から泥酔する人が出てしまい、会場内で横になっている人を見かけることも珍しくない。一方、この日のイベントでは泥酔者の姿はほとんど見られず、来場者たちは終始落ち着いた様子でテイスティングを楽しんでいた。
メモを取りながら味を比較したり、ブースに立つスタッフ(日本酒好きのボランティア)に熱心に質問したりする姿が目立つ。“楽しく酔う”というよりも、「もっと知りたい」「もっと飲み比べたい」という空気が会場を包んでいた。

来場者からは、「ずっと日本酒が気になっていて、今日初めて来たけど最高。とにかくたくさん試したい」「日本酒にハマってしまった(笑)。来年も絶対来る」といった声が聞かれた。ボランティアスタッフの一人も、「自分自身の勉強になるので、毎年参加している」と笑顔を見せる。

「ジョイ・オブ・サケ」は毎年開催されている。どれだけ日本酒を飲んでも“酔っぱらわない”ニューヨーカーの姿を見れば、日本酒文化が海外でどのように受け入れられているのか、きっと実感できるはずだ。
取材・文・写真/ナガタミユ
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