帰国生の強みを「武器」に変える視点
夏休みがやってきました。受験学年でなくても、「せっかくの長い休みを有意義に過ごしてほしい」と考える保護者は多いのではないでしょうか。しかし、夏休みは長いようでいて、意外とあっという間に終わってしまいます。毎年多くの子どもたちを見ていて感じるのは、夏に大きく伸びる子は、夏休みが始まる前から準備をしているということです。今回は、長い休みを「伸びる時間」に変えるための考え方についてお話します。
夏休みは、子どもたちにとって一年の中で最もまとまった時間を確保できる期間です。学校の宿題や習い事はあっても、普段より自由に使える時間が増えます。そのため、「夏に頑張ろう」と考えるご家庭も少なくありません。
しかし実際には、「夏休みが始まったら考えよう」と思っているうちに、気づけば7月が終わり、8月もあっという間に過ぎてしまうことがよくあります。長い休みだからこそ、時間はあるようでいて、使い方によって大きな差が生まれます。
私がこれまで見てきた中で、夏に大きく伸びる子には共通点があります。それは、夏休みが始まる前に「この夏で何を成し遂げるか」を考えていることです。私たちは普段「目標を持つことが大切」と言います。しかし、目標にはもう一つ欠かせない要素があります。それが「期限」です。
例えば、「英単語を覚えたい」という目標だけでは、なかなか行動に移せません。一方で、「夏休みが終わるまでに英単語を300語覚える」となると、何をどれだけやれば良いかが見えてきます。
実は夏休みの最大の価値は、この「期限付きの挑戦」ができることにあります。学校生活の中では、目の前の課題や行事に追われ、自分のための目標を立てる機会は意外と多くありません。しかし夏休みには、「この期間でこれをやり切る」という経験ができます。
ある生徒は、「夏休み中に英語の長文を30本読む」と決めました。また別の生徒は、「日記を毎日書いて日本語の表現力を伸ばす」と決めました。結果として全員が目標を達成できたわけではありません。しかし、それ以上に大きかったのは、「期限を決めて挑戦する経験」そのものでした。帰国生の場合、この経験は特に大きな意味を持ちます。
帰国生入試では、英語力や知識だけでなく、自分で考え、計画し、やり抜く力が求められます。面接や作文でも、「どんな経験をし、そこから何を学んだのか」を問われる場面が少なくありません。
だからこそ、夏休みを単なる長い休みとして終わらせるのではなく、「この夏に何を成し遂げるか」を考えてみてほしいのです。もちろん、その目標は立派なものである必要はありません。
「毎日20分読書を続ける」
「英検の単語帳を1冊終わらせる」
「日本語で日記を書く」
どんな小さな目標でも構いません。大切なのは、自分で決めた目標に期限を設け、その達成に向けて努力することです。夏休みは、ただ時間がある期間ではありません。子どもたちが「自分で決めた目標に向かって挑戦する」絶好の機会です。だからこそ、夏休みが始まる前の今、ご家庭でぜひこんな会話をしてみてください。「この夏が終わるころ、どんな自分になっていたい?」
その答えを考えることこそが、夏を成長の時間に変える第一歩なのだと思います。期限があるからこそ人は成長するのです。
早稲田アカデミー ニューヨーク校
https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html
早稲田アカデミーNY校 川村宏一(かわむら こういち)

早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2002年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門にて英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月から現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。お問い合わせは(メール:newyork@waseda-academy.com)まで。
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