2026年6月22日 NEWS DAILY CONTENTS

NYの観光名物「セントラルパークの馬車」は消えるのか? 死亡事故で廃止論が再燃

ニューヨーク・セントラルパーク名物の観光馬車を巡り、廃止を求める声が再び強まっている。きっかけは、インドから家族で訪れていた18歳のロマンチ・マハジャンさんが死亡した事故だ。

馬車はセントラルパークの名物だが、さまざまな事情から「時代遅れ」になっているのかもしれない(photo: 本紙)

複数の報道によると、馬車の御者が観光客の写真を撮るため座席を離れた際、馬が突然走り出し、マハジャンさんが投げ出された。馬車はその後衝突し転倒した。市検視局は、マハジャンさんの死因は鈍的外傷と断定。事故を受け、動物保護団体はニューヨーク市のマムダニ市長に対し、行政命令で馬車営業を即時かつ恒久的に停止するよう要求。動物権利擁護団体PETAも、市議会で審議中の「ライダー法」※が成立するまで待たず、68台の馬車を止めるべきだと訴えた。

マムダニ市長は立法による廃止へ注力

選挙キャンペーン中から馬車廃止を公約にしてきたマムダニ市長は、行政による即時禁止ではなく、立法計画を通じて同サービスの廃止を推進すると表明。市議会、動物福祉活動家、御者の労働組合と直接連携し、「労働者を保護しつつ、セントラルパークでの馬車運行を完全に廃止する、公正な移行を実現したい」として、恒久的な立法による解決策に注力している。

公聴会を7月開催へ

一方、御者を代表するTWUローカル100は、全面禁止に激しく反対。同組合は、馬たちは適切に扱われており、禁止措置が実施されれば、観光産業に関わる何百人もの人々が生活できなくなると主張している。

死亡事故を受け、クリストファー・マルテ市議会議員(民主)は、ライダー法の名称を死亡したロマンチ・マハジャンさんを追悼し、「ロマンチ法」に変更する計画を発表。ジュリー・メニン市議会議長(民主)は、この法案を審議するため、来月に正式な公聴会を開催する予定。改定された法案は、馬車産業を完全に廃止し、馬を保護施設へ移し、職を失った御者に対して職業再訓練プログラムを提供することを目的としている。

当面の間、馬車は運行

TWUローカル100が呼びかけた自主的な「安全のための運行停止」により運営が一時中断されていたが、御者に対する安全研修を経て、今週中に運行を再開する予定。

記録上の事故は100件以上

市民団体や過去のデータベースによると、今回のような死亡事故はまれであるものの、物的損害や負傷事故は少なくない。過去数十年にわたる記録によると、ニューヨーク市では116件以上の馬車事故が記録されており、そのうち数十件では馬、乗客、御者、歩行者が負傷している。セントラルパークを管理・運営するセントラル・パーク・コンサーバンシーは、アスファルトで舗装された狭い公園内の道路をジョギングする人やサイクリスト、電動キックボード利用者と(馬車が)共有せざるを得ない状況が近年、急増したため安全性が悪化していると指摘。馬が「驚いて暴れるリスク」が極めて高まっていると強く懸念している(19日付CNN)。

※ライダー事件 2022年8月、ヘルズキッチンの路上で、ライダーという名の老馬が倒れ、その様子がネット上で拡散された事件。その後、ライダーは安楽死させられ、これが「ライダー法」の草案作成のきっかけとなった。

                       
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