マンハッタンのアッパー・イースト・サイドで、レジオネラ症の集団感染が拡大している。ニューヨーク市保健当局(DOH)によると、7月13日までに59人が感染。33人以上が退院し、15人が入院中。死者は確認されていない。最初の患者は7月2日に確認され、対象地域は郵便番号10028、10128、10075の3区域にまたがる。当局は感染源をまだ特定していないものの、新規感染者は今週から減少に向かう可能性があるとみている。7月14日付ニューヨークタイムズが現状を伝えた。

ビル屋上の冷却塔を調査
レジオネラ症は、レジオネラ菌による重い細菌性肺炎。菌は大型ビルの屋上にある冷却塔の温水で増殖し、ファンから飛散した微細な水滴を吸い込むことで感染する。市は周辺の冷却塔180基以上から水を採取し、31棟で肺炎を引き起こし得る菌を検出。その中にはグッゲンハイム美術館も含まれていた。ただし、陽性反応だけでは感染源と断定できない。検査では死んだ菌も検出されるためで、ニューヨーク州保健局によると、冷却塔の最大半数が陽性となる可能性があるという。
過去の教訓生かし迅速に調査
2015年にサウスブロンクスで120人が感染し、12人が死亡したニューヨーク市最悪の集団感染を受け、市は冷却塔の登録を所有者に義務付けた。これにより、発生地域の冷却塔を把握し、対象を迅速に検査できるようになった。昨年にはセントラルハーレムで100人以上が感染し、7人が死亡。感染源はハーレム病院など市所有の2施設にたどり着いた。
遺伝子解析で感染源を特定
陽性となった冷却塔は、所有者が速やかに排水・消毒する。市は培養した菌と患者から採取した菌を遺伝子解析で照合し、感染源を絞り込む方針だ。培養には最長で2週間かかる。潜伏期間は通常5〜6日、長い場合は10日以上のため、消毒後もしばらく新たな患者が確認される可能性がある。冷却塔が陽性の建物内にいる人だけが特に危険というわけではなく、菌を含む霧は周辺へ広がり、数千フィート離れた場所でも感染する可能性がある。
対象地域の居住・勤務・通学者は注意を
対象となる郵便番号10028、10128、10075に居住、勤務、通学する人や、グッゲンハイム美術館など周辺施設を訪れる人にも関係する。特に高齢者や喫煙歴のある人、肺疾患や免疫機能の低下がある人は、発熱、せき、息苦しさなどの症状に注意する必要がある。
















