アメリカで勢いを増す民主社会主義者(DSA)。民主社会主義者ニューヨーク市支部の現役会員の60%が白人と自認していることが、同支部の内部資料で分かった。調査は入会時の任意アンケートを基にまとめたもので、会員約1万5600人の63%が回答。政治・政策メディアのシティ&ステートが8月11日、伝えた。

政治的デモンストレーションへの参加者も圧倒的に白人層が多い。2025年10月18日にニューヨーク市で行われた「No Kings」で撮影(photo: 本紙)

複数回答が可能で、白人の他、ヒスパニック系14%、ユダヤ系12%、アジア系10%、黒人・アフリカ系9%、南アジア系5%、中東系4%、先住民2%、太平洋諸島系1%未満だった。この構成は、市全体や民主党より白人の割合が高い。国勢調査局の推計では、ニューヨーク市の人口は白人約34%、ヒスパニック系29%、黒人22%、アジア系15%。一方、2023年の全米民主党支持層は白人が約56%だった。

マイノリティーの候補者を白人が応援

民主社会主義者の人種構成は、同組織が支援したクレア・バルデス氏とダリアリサ・アビラ・シュバリエ氏が6月の民主党予備選で勝利して以降、議論を呼んでいる。両氏は有色人種だが、批判派は、黒人やラテン系の現職に挑む組織の会員が主に白人である点を問題視してきた。なお、2021年の全米調査では会員の85%が白人だったが、当時から会員の入れ替わりが大きく、現在のNYC支部は1万5000人超へ拡大している。

変化の兆しもある。今年1月以降に加入し回答した新会員では、白人の割合は57%と全体より3ポイント低かった。全米でも過去1年の新会員の白人比率は67%。マムダニ市長は、NYC-DSAが黒人や有色人種の新世代の政治指導者を生み出す原動力の一つになっていると評価した。ただし、任意回答のため、結果は全会員を網羅した調査ではない。

二極化する白人社会

11月の中間選挙に向けた民主党予備選では、民主社会主義を掲げる候補が全米各地で躍進している。ただし、11日に行われた激戦州ウィスコンシンの知事予備選では穏健派が民主社会主義者を僅差で破り、党内には急進左派では本選に勝てないとの懸念も残る。

民主社会主義者などの急進左派とMAGAなどの急進右派は、ともに白人が多いが、支持層は異なる。左派には都市部の若い高学歴層、右派には地方・郊外の非大卒層やキリスト教徒が多い。両者とも既存制度への不満を原動力とする一方、左派は格差や企業権力、右派は移民や文化的変化、社会的地位の低下を問題視する。

白人社会自体が学歴、居住地、宗教を軸に二極化し、それぞれ異なる方向の運動に動員されていると考えられる。

政治的受け皿異なるアメリカと日本

ニューヨークの民主社会主義者と、参政党に代表される日本の新興保守勢力は、主義主張こそ正反対だが、格差や生活不安、既成政治への失望を背景に伸長した点では共通する。不満の矛先が、前者では富裕層や企業、後者では外国人やグローバル化に向けられた違いは、それぞれの社会にどのような政治的受け皿が存在したかによるといえるだろう。