トランプ政権はこのほど、外国人留学生が在学中にインターンなどを行うCPT(Curricular Practical Training)の要件を厳格化し、今後は専攻との関連性だけでなく「卒業に必要な実習」であることを原則として義務付ける方針を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが8月28日、伝えた。

今回の措置は、トランプ政権が進める留学生および外国人労働者への一連の締め付け政策の一環とみられる。写真はイメージ(photo: Unsplash / Help Stay)

「専攻に関連」だけでは許可せず

CPTは、F-1ビザを保持する外国人留学生が在学中に専攻に関連するインターンシップや実習などを行うための制度。大学の許可を得ることで、学外で実務経験を得られる。これまでもCPTは専攻と関連する実習であることが前提だったが、卒業に必須でなくてもインターンに関連する授業を履修し、単位を取得することでCPTが認められるケースもあった。

今回の変更で重要なのは、インターンが「専攻と関係しているか」ではなく、「卒業に必要か」という点だ。米国土安全保障省(DHS)傘下の学生・交流訪問者プログラム(SEVP)が8月24日に示した新指針では、CPTを利用する実習は、その学位プログラムの必須カリキュラムであることを求めている。

例えば、経営学を専攻する留学生がマーケティング会社でインターンをする場合、専攻に直接関係していても、そのインターンが卒業に必要な実習でなければCPTの対象にならない可能性がある。選択科目としてインターンの単位を取得するだけでは認められない。

“出稼ぎ”排除などが目的

新しい指針の目的は、F-1ビザを悪用した「実質的な就労(出稼ぎ)」や「ルールの抜け道」の排除、およびアメリカ人労働者の雇用の保護だ。背景には、入学初日から学外でのフルタイム勤務を認める「Day 1 CPT」などを提供し、実質的に「就労ビザの代わり」として機能する大学やプログラムの急増がある。また、トランプ政権の基本方針である「アメリカ第一主義」に基づき、学外労働のハードルを上げることで、アメリカ国内の雇用市場におけるアメリカ人学生や現地労働者の優位性を確保する狙いがある。

大学も相次いで対応

新指針を受け、南カリフォルニア大学(USC)は、卒業に必要な実習に限ってCPTを認めると学生に通知。ペンシルベニア大学も、新規および審査中のCPT申請について判断を一時停止し、カリキュラムや手続きを再確認している。

留学生の就職活動にも影響?

在学中のインターン経験が卒業後の就職につながるケースも多い。今回の厳格化で、これまで選択科目と組み合わせてCPTを利用していた留学生は、インターンの選択肢が狭まる可能性がある。ただし、CPTそのものが廃止されたわけではない。学位取得に必要なカリキュラムの一部として認められるインターンや実習については、引き続き利用できる。