頭痛の対処
朝晩が冷え始め、寒くて首をすくめる人も多くなっているのではないでしょうか。首をすくめるということは、筋肉を縮め、余計な力が肩周りに入った状態になります。その際に、頭痛や頭の重さを感じる方もいると思います。
頭痛には、緊張性頭痛や片頭痛、自律神経性頭痛などの1次性のものと、病気に伴う2次性のものがあります。今回はその中でも緊張性頭痛の対処法についてお話しします。緊張性頭痛は肩や首の強い張り、身体の怠さを伴います。また頭を支える肩や首の筋肉が固まり、首回りの血流が悪くなることで痛みが生じます。筋肉が凝り固まると、筋肉が本来の収縮するという役目を果たせなくなります。首をすくめる他にも、背中を丸めてパソコンを使用したり、合わない枕を使用するなど、筋肉を凝り固める原因は日常生活の中に潜んでいます。
それでは、肩や首の凝り固まった筋肉にはどのような対処をしたらよいのでしょうか。
まず、テニスボールまたは同じくらいの大きさのボールを用意し、仰向けに寝て後頭部にボールを置きます。後頭部の中央より少し左右どちらかにずらして当ててください。(①)ボールが2つある場合は靴下に入れて

仰向けに寝て後頭部にボールを置く
(②)、後頭部の左右両方に当てて寝ます。コロコロとボールを動かさなくても、ボールが少しずつ沈んでいく感覚があればそれでOKです。

ボールが2つある場合は、
靴下にボールを入れてOK
次に、頭痛筋とも呼ばれる肩甲挙筋(けんこうきょきん)を緩めます。肩甲挙筋は、肩甲骨から後頭部に付着する筋肉で、首を支える大きな役割を担っています。肩甲骨の内側上方にボールを当てて、壁でボールを挟みます。(③)ここではコロコロとボールが動くよう身体を上下に動かしてください。

肩甲骨と壁でボールを挟む
また頭は首の上にあるものですが、頭だけが前に出たときに、それを支えるために余計な力(筋肉)が必要となり、肩や首周りの筋肉が固まります。職場で頭の重さや頭痛を感じたときは、首の上に頭が乗るように、普段より少し顎を引いてみてください。
頭痛は、リハビリの治療分野ではないと思われる方も多いですが、筋肉や骨の配列などの問題による頭痛であれば治療が可能です。気になる症状がある方は、いつでもご連絡ください。
押本理映 (FuncPhysio日本支部代表)

PT(日本の理学療法士)免許を2011年取得後、大学病院で臨床経験に励む。ダンスを中心とした芸術スポーツ分野のリハビリを学ぶために15年来米。NYUハークネス・ダンス・センター、高田洋平氏の下で徒手療法を学ぶ。専門分野はダンサーのスポーツ障害。10代でロシアにバレエ留学した経験を持つ。r.oshimoto@funcphysio.com
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