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日本クラブは3月29日、東京大学大学院情報学環教授で、ハーバード大学ライシャワー研究所客員教授の吉見俊哉さんによる講演「25年後の未来500年後の未来〜世代史と世界史を架橋する歴史の尺度」を開催した。
吉見教授は、世代間隔と資本主義が持つリズムは共振し、ほぼ25年の間隔で「拡張、成熟、衰退」を繰り返すと歴史を振り返りながら解説。さらに500年にわたる覇権国家の変遷も踏まえながら、先行きが不透明で不安な時代には未来を過去の経験から読む「メガネ」が必要と話した。
現代は資本主義の矛盾が噴出しており、21世紀末から22世紀初めには資本主義的発展は終わりを迎えるが、大きな戦争を起こさなければ人類は「なんとかやり繰りをしていく」と、また、「1つの国における高度成長は1回きり。これからは高度成長をしなければならないとの考えは捨て、やり繰りしながら文化的生活を楽しむべき」と提言した。
飽和状態を打破する技術革新について、既存概念や思考の枠を壊したアップルのスティーブ・ジョブズの例を挙げ、文化的想像力や自明性を内側から批判する力がなければ転換はないと断じた。現代は理系がもてはやされているが、異なる時代、文明、文化、価値観を知る文系の力が今後ますます求められると力説した。

シュンペーターやホイジンガーなどの理論やこぼれ話も紹介。前頭葉を大いに刺激される2時間となった(photo: 本紙)
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