非営利団体9.11風の環メモリアルコンサートは12日、マンハッタン区のカウフマン音楽センター、マーキンホールで恒例のチャリティーコンサートを開催した。同コンサートは9.11同時多発テロの犠牲者追悼を目的にマイク白田さんが創設、東日本大震災発生後は復興支援も趣旨に加え毎年開催している。
11回目となる今回はスペイン南部トマレス市から少女合唱団が参加した。童謡「赤とんぼ」やキューバの名曲「黒い涙」など4曲を披露し、ニューヨーク在住の子どもたちで結成した風の環少年少女合唱団と一緒に「赤い花、白い花」を歌った。日本人女性の和太鼓グループ・鼓舞組がコンサートの開幕をエネルギッシュなパフォーマンスで飾り、バイオリニストの大曲翔さんと白田さんが新しく結成した、風の環室内アンサンブルがバッハやビバルディの楽曲を息の合った演奏で聴かせた。コンサートのホスト役、ジャパン・コーラル・ハーモニーともは、バーンスタイン生誕100年を記念してウエストサイド物語をメドレーで、最後は復興支援の歌「花は咲く」を全員で熱唱、会場からは大きな拍手とスタンディングオベーションが贈られた。
トマレス少女合唱団の代表で合唱団員の母親、アリシア・バッコさんは「音楽で復興支援するとの趣旨に賛同した。機会を与えてくれた白田さんに感謝したい」と感激の面持ち。ニュージャージー州在住の大島健志郎さんは、「子どもたちやスペインの少女、プロの演奏家まで総合的にプログラムが組まれていて感動した」と話した。白田さんは、「今日はみんないい演奏だった。トマレス少女合唱団といつかニューヨークで一緒に演奏会をしようね、と話していたのが実現できた」と安堵した様子だった。
当日集めた寄付金は東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の一般社団法人「こころスマイルプロジェクト」に贈るという。

迫力の演技で観客を魅了した鼓舞組

フラメンコも披露したトマレス少女合唱団

出演者全員による大合唱は、室内アンサンブルが加わりスケール感が一層アップ、圧巻のフィナーレとなった(photo: 本紙)
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