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マンハッタン区チャイナタウンで23日夜、米国華人博物館が入居する建物で火災が発生、男性1人が負傷した。同博物館の館長、ナンシー・ヤオ・マースバックさんによると、展示品以外の収蔵品、約8万5000点が焼失した恐れがあるという。ニューヨークタイムズが24日、報じた。
同博物館は著名建築家のマヤ・リンさんが設計し、2009年にオープン。中国の移民の歴史を物語る織物や飲食店のメニュー、手紙など過去30年にわたり収集したものを展示。米国で1883年に発令された中国人排斥法に関する文献や、1900年代に使われた結婚式用のチャイナドレス、80年代の中華街の写真など貴重な資料も含まれていた。高齢者施設やダンス教室も併設。地域住民の交流場所にもなっていたという。現場検証などで少なくとも3週間は立ち入り禁止になるが、その間、水をかぶった収蔵品が修復できないため、関係者は、「致命的な損傷を受ける」と危機感を募らせている。
ニューヨーク市立大学教授のアバ・チンさんは、家族が1914年に中国から米国に移民する際に乗った船の切符や、曽祖父の米国での身分証明書などチン家に伝わる記念品を寄付していた。チンさんは「大きな打撃」と嘆く。
ただし、マースバック館長によると、収蔵品のうち3万5000点は電子化し、バックアップも取っているという。

ニューヨーク市消防局の公式ツイッター(@FDNY)より
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