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ニューヨーク市交通局の元局長、サミュエル・I・シュワルツ氏が29日に発表した報告書によると、市の地下鉄やバス内では、新型コロナウイルスに感染する危険性が低いことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
これまでに発表された学術論文の一部は、地下鉄などの公共交通機関が、ウイルスのまん延の一因であると示唆していた。しかし、同氏の交通コンサルタント事務所が米公共交通協会のにまとめた報告書によると、ウイルスのまん延と大量輸送システムとの間に相関関係がないことや、電車やバスの換気状態が良いため、利用者がマスクをしている限り、公共交通機関は安全であるということが分かった。また同調査によると、感染率は、コミュニティにおけるウイルスの蔓えんとより密接に関連している。シュワルツ氏は「もちろん全ての空間で感染のリスクはある。しかし交通機関よりも職場でウイルスに感染する可能性の方が高い」と指摘している。
一方ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、電車やバスなど、駅構内で頻繁に人が触れる表面の清掃と消毒に数億ドルを費やし、職員がマスクを持たない利用客に無料で配布しても着用を拒否した場合は、50ドル(約5280円)の罰金を科すなどの対策を講じている。ツアーバスや飛行機など、人々が同じ空間で長時間過ごす交通手段の場合は、ウイルスが拡散される可能性が高いが、利用する時間が短く、人々が話をすることが少ない傾向にあるスペースでは、リスクは低くなると同調査は報告している。

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