2013年11月6日 NEWS

オバマケアにさらなる課題 保険適用で医師不足が深刻に

 先月から始動した医療保険制度改革(通称:オバマケア)だが、保険適用後に増加する患者数に対し、医師の数が圧倒的に足りなくなることを懸念する声が上がっている。
 米大手テレビ局CBSは4日、ニューヨーク大学医学部のスティーブン・ラム教授へのインタビューを放送。この中で同教授は、「オバマケアの施行により患者が大幅に増える一方、医師の数は減少している。このまま保険の適用が行われると、需要過多に陥る恐れがある」と指摘した。
 ラム教授は、保険適用後に予想される状況を「クリスマスの買い物のようなもの」と表現し、「すべての人が医療サービスを同時に求め、医師にとっては厳しい状況になる」と語った。
 現時点で、米国で不足している医師の数は2万人と言われている。これに加え、保険対象の拡大や人口増加の影響により、2025年までにさらに5万2000千人の医師が必要になると予想されている。
 しかし、保険適用後にもっとも需要が増えると考えられるのが一次診療(プライマリケア)医だが、米国で新たに医師になる人のうち、一次診療を選ぶ人はわずか20%というのが現状だ。
 さらに、全米の医師の約半数が50歳以上であるため、今後、医師の数が激減することも予想される。

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