Seo Japanese Restaurant

 フランス料理と言えば、「なんだか敷居が高いので敬遠してしまう」という人も少なくないのでは? 今回は、新しく創作和風フレンチのメニューを追加した、人気日本食レストランをご紹介。

気軽に楽しむ創作和風フレンチ

敏腕若手シェフを迎えて

料理の盛り付けにもこだわりを持つ、松﨑央志(まつざきようじ)シェフ

 マンハッタン区ミッドタウンで本格和食を提供している「Seo Japanese Restaurant(セオ・ジャパニーズ・レストラン)」がこのほど、フランス料理に精通する若手シェフを迎え、新たに創作和風フレンチのメニューを追加した。
 真剣な眼差しで料理に取り組むのは、笑顔にまだあどけなさが残る松﨑央志氏。服部栄養専門学校に通っていた当初は、「素材の良さを全面に出すイタリアン」の道を志そうとしたが、後に「その素材に如何に手を加えるかで、可能性が無限に広がるフレンチ」の魅力に取りつかれた。卒業後は、日本を代表する本格フレンチ「ARGO(アルゴ)」で修業を積み、腕に磨きをかけた。
 以前働いていた店の師匠から、みっちりフレンチの極意を教わったという松﨑氏。得意分野は「魚を使った料理」で、ブイヤベースやソテーには自信があるという。
 「ニューヨークに来てまだ間もないですが、日本と違って本当にさまざまなバックグラウンドを持ったお客さまが来店されるので、多くの方々に広く楽しんでもらえるような料理を提供していけたら」と、今後の抱負について語ってくれた。

旬を活かした繊細な味

 そんな松﨑氏が担当するのは、ディナー限定〝季節のスペシャルメニュー〟。和のテイストを取り入れた創作フレンチは、旬の素材に合わせ、季節ごとにアレンジしていくという。
 現在、店で提供しているのは4品。

「きのこの茶碗蒸し カプチーノ仕立て」

 椎茸やえのき茸をふんだんに使ったポタージュに和風だしを加えた「きのこの茶碗蒸し カプチーノ仕立て(12ドル)」は、きのこの濃厚な風味が口いっぱいに広がる贅沢な味わい。ふわふわの食感がまた、クセになる。
 清涼感溢れる「オマール海老のカクテル 和風だしコンソメうに添え(16ドル)」は、前菜にぴったり。下からアボカドのピューレ、カナダ産のオマール海老とくるみのバルサミコ酢和え、和風だしのコンソメジュレ、うにの豪華4層が織りなすハーモニーは、実に繊細。それぞれの層が主役でありながら、決してでしゃばらない―なんとも調和のとれた一品だ。

「オマール海老のカクテル 和風だしコンソメうに添え」

 そして、フレンチの王道フォアグラを使った「抹茶と日本酒のフォアグラテリーヌ(22ドル)」。ニューヨーク州産の新鮮なフォアグラはまろやかさとコクのある深い味わいが特徴で、つけ合わせの梅ソースとホワイトチョコと食せば、思わずため息が漏れてしまう。白ワインではなく日本酒でマリネするというところが、松崎氏らしい演出と言えるだろう。

「抹茶と日本酒のフォアグラテリーヌ」

 メーンには、同氏がもっとも得意とする魚料理「ひらめのナッツ焼き(22ドル)」。アーモンド、クミン、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ひまわりの種などを粗挽きにしたミックスナッツを衣代わりにし、バターでソテーした白身魚に、海苔風味の特製ソースがよく絡む。〝ちょっとおしゃれ〟なおつまみ感覚で、ビールや日本酒と堪能したい。

「ひらめのナッツ焼き」

 「これから、どんどんメニューを追加していきたいですね」と松﨑氏。ワインのセレクションも増やし、〝マンハッタンで気軽にフレンチが楽しめる日本食レストラン〟という新たな境地を切り開く。

Seo Japanese Restaurant
249 E 49th St(bet 2nd & 3rd Ave), NYC
212-355-7722
www.eatatseo.com

営業時間:ランチ/月〜金:12pm〜2:30pm
     ディナー/月〜土:5:30pm〜10:30pm
          日:5:30pm〜10pm
(ラーメン三四郎は平日11pm〜※なくなり次第、閉店)