時代は「ジェンダーレス」 多様性で道を拓くLGBTたち

 ことし、全米の全州で同性婚は合法となり、米コンデナスト社のヴァニティフェア誌が、ケイトリンこと女性になったブルース・ジェンナーを表紙と特別インタビューで取り上げ、ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの娘やジョニー・デップとバネッサ・パラディの娘などのセレブの子どもたちが、自分たちのセクシュアル・アイデンティティを表明して発信している今、米国は確実に変化を遂げている。
 それは、ファッションの世界でも顕著だ。ニューヨークでは、ファッション・ウィークが17日に終了したばかり。アンドロジナスなモデルがさまざまなブランドのランウェイを闊歩するようになって久しいが、今季のショー期間にも、フィリピン生まれのジーナ・ロセロさんがトランスジェンダーであることを初めてカミングアウトしたという。モデルとしてのキャリアを10年もち、「この職業での成功があったから、発表するのはなおさら容易なことではなかった」と彼女は語る。
 これまでのファッションの世界で、男女兼用という意味で使われた言葉は「ユニセックス」。しかし、今の時代が求めるのは「ジェンダーレス」だ。単にオトコ、オンナでは分けられない多様性が確実に広がっている。公共のトイレから、オトコとオンナマークが消えていくなか、メンズとレディースというのは単にサイズを表す言葉となり、服のジャンルとしての意味は消えていくかもしれない。