大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第43回「ロードサービス」

 ことしはエルニーニョ現象のおかげで比較的暖かい冬ですね。ところが穏やかなのも年明けまでで、1月末頃からは大雪に見舞われるという見方もあるようです。雪の季節になると多発する車のトラブルですが、今回は万一の時に心強いロードサービスのお話です。
 ロードサービスとは何をしてくれるの? という質問にお答えしましょう。
◆レッカーサービス:車が動かなくなってしまった場合、工場まで運んでくれます。
◆緊急脱出サービス:雪などでタイヤがハマってしまい立ち往生した場合、その場から引っ張り出してくれます。
◆解錠サービス:鍵を車内に閉じ込めてしまった場合、鍵なしでドアを開けてくれるサービスです。
◆エンジンスタートサービス:バッテリー上がりでエンジンが始動しなくなってしまった場合、エンジンを始動させてくれます。
◆タイヤ交換サービス:タイヤがパンクしてしまった場合、スペアタイヤに交換してくれます。
以上がロードサービスの主な内容ですが、これらは日本では本当に万一というくらい利用することが稀でしたが、ここニューヨークでは平均駐在期間の3〜5年の間に3人に1人がパンクを経験しています。バッテリー上がりと雪での立ち往生も加えると、実に半数以上のドライバーが、ロードサービスが必要になったという統計もあります。
 パンク理由の多くは釘など鋭利な異物が刺さってしまうことですが、米国の道路は実にゴミが多いので、これを踏んでしまう確率も日本の比ではありません。次いで多いのが、以前のコラムでもお話しした、雪の季節にできる道路上の穴に走行時にハマってしまい衝撃でパンクしてしまうケースです。さらに、寒暖差の激しいニューヨークではゴム部品の耐久性も落ちます。タイヤだけでなく、空気孔の内部にあるバルブコアという栓(空気を出し入れするときに動く弁)もゴムを使用しており、これが寒暖による経年劣化で悪くなると、空気孔からゆっくり空気が抜けてしまい、タイヤには空気漏れの形跡がないのにいつの間にかタイヤがペチャンコになっているということもあります。
 また、車には非常に多くのゴム部品が使われています。ホース類はほとんどゴムでできていますが、やはりこれが寒暖差や除雪材の塩分により経年劣化が早まります。ダメージを受けたゴム部品はヒビ割れを起こし、ついには破れて内部のオイルや液体が漏れ出します。その部位によってはクルマの性能に重篤な影響を及ぼしてしまうものもあり、こうなるとレッカーサービスが必要となります。
 クルマにとっても環境の厳しいニューヨークでは緊急時のロードサービスに加入するのは、もはや必須といっても過言ではないかもしれません。
 ロードサービスで米国最大手は「AAA」(トリプルエー)という会社です。ほかにも多くのロードサービスがありますが、加盟している現地の業者も多く出動依頼から現場到着までが比較的早いです。年間約60ドル〜のプランで上記のサービスが無料で受けられますので、加盟されていない方は検討されてみてはいかがでしょうか。

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プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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