NY州で新しい教育基準導入 不評の「コモンコア」を大幅改定

 【2日付NY1】ニューヨーク州教育局は2日、英語と数学に関する新しい教育基準を導入すると発表した。同基準をプレKから高校まで適用する。
 これまでは2011年に始まった「コモンコア」が基準となっていたが、試験内容は難易度の高い教材に基づき、生徒の点数で教員が評価されるため、保護者や教員、生徒から不評だった。昨年は、州内で23万人の保護者が抗議のために子どもに試験をボイコットさせている。
 これを受け同局は、保護者や教員の協力も得て約2年をかけて同基準を大幅に改定した。英語ではフィクションを増やす、数学ではより汎用性の高い内容にするなどの工夫がある。マリー・エレン・エリサ同局長は、「世界は変化している。生徒が大学に進学するにしても就職するにしても、より多様な能力が求められている現代では、こうした変化を反映させる必要がある」と話す。
 これまでの基準を完全に廃止するわけではないが、教員組合やビジネス界も新しい基準への支持を表明している。同局長は、「導入にはじっくり時間をかけるべきだと認識している。忙しい教員を尊重し、慎重に組織的に協力を得ながら進めていく」と語った。

Bill Selak

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