住宅と商業地域で風俗産業禁止 20年来の争いにNY市が勝利

 【7日付クレインズニューヨーク】ニューヨーク州上訴裁判所は6日、ニューヨーク市が風俗業界団体と争っていた裁判で市の訴えを支持、住宅および商業地域の大部分で風俗産業を禁止する判決を下した。判事6人のうち5人が禁止を支持、1人が棄権した。
 判決によると、教会や学校、公園から500フィート(約152メートル)の範囲内、また住宅および商業地域の大部分で、アダルトビデオやポルノ雑誌、アダルトグッズなどを販売する小売店やストリップクラブなどの営業が禁止される。風俗業界を代理するエリカ・ドブノ弁護士によると、同業界は連邦最高裁判所への控訴を検討中。
 ルドルフ・ジュリアーニ市長時代に、タイムズスクエアなどで急増する風俗産業を一掃する取り組みが進められていたが、100軒以上のアダルトショップは表現の自由のための同盟を結成し、同弁護士を雇い州高位裁判所で争った。1990年代後半の判決では、商品を陳列する面積が店舗の40%以下であれば許可するとの判決が下りていた。特別風俗産業許可を所持する「スコアーズ」や「ハスラークラブ」などの著名ストリップクラブは今回の判決の影響を受けないため、既に許可を所持している店は競合相手が減り、これまで通り営業を続けることができる。
 住宅および商業施設の相次ぐ開発やインターネットポルノの普及により、今回の判決によらずとも、いずれは市から風俗産業が姿を消すと予想されている。

frankieleon

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