日本食博覧会に過去最高2010人 ニューヨーク共同貿易

 日系食品卸のニューヨーク共同貿易は21日、マンハッタン区のメトロポリタンパビリオンで飲食業界向けの日本食博覧会「日本食&レストランエキスポ2019」を開催した。
 今年で26回目を迎えた同イベントでは各社の代表商品を紹介。来場者数は過去最大の2010人に上った。恒例の日本酒や焼酎、食品、調理器具のコーナーに加え、米国市場に参入するに当たり業界の感触を探りたいメーカーの製品を集めたマーケティングコーナーも地下に拡大。メリーランド州に自社蒸留所を持つアメリカン・ショーチュー・カンパニーは焼酎「UMAI!」を、日本産の食材を添加物や保存料を加えずに加工する京都グレインシステムは、菓子作りに重宝するという紫イモを粉末状にした「パープル・ポテト・パウダー」や「ほうじ茶パウダー」などを出品した。
 日本酒のコーナーでは、品質と口当たりにこだわった製品を紹介するメーカーが目立った。宝酒造は山廃仕込みの中でも特に飲みやすさにこだわったという「白壁蔵 山廃純米」をはじめ、海外仕様のパッケージが華やかな「京都純米」、軽く持ち運びに便利な「天 純米」などの新商品を出品。
 全国新酒鑑評会で7年連続金賞を受賞し、新たな「酒どころ」として評価が高まる福島県は、県の代表として「栄川酒造」「国権酒造」「有賀醸造」「曙酒造」を出展。曙酒造の製造責任者、鈴木孝市さんは、「ニューヨーカーは、日本酒のおいしい飲み方を聞いてくる」と手応えを感じた様子。「福島の酒の魅力を広めていきたい」と意気込んだ。
 食品コーナーには、米、ラーメン、菓子、調味料、加工品などのメーカーが並んだ。岩田食品(愛知県)は乾燥総菜を出品。熱湯を注ぐだけで「金平ごぼう」「切干大根煮」「小松菜のおひたし」などが即座にできるため、備蓄食や行楽に好評だという。昨年に続き2回目の出展というLOCO・SIKI(青森県)は、瞬間冷凍したミョウガやタケノコなどを出品。試食した来場者は生のタケノコと変わらない歯ざわりに驚いていた。皮ごと冷凍しているので、盛り付けにも利用できるとアピールした。
 また会場ではフードビジネスに関するセミナーも行われた。

Yamajirushiの「しそポン」を手に取る来場者(Photo: Yuka Takeuchi / 本紙)

マーケティングコーナーには、笹の川酒造のウイスキー「篠川」も出品。同社は国産ウイスキーの製造元として
長い歴史を持つ(photo: Toshiyuki Takano / 本紙)