ビルのガラスに鳥衝突、年間23万羽も NY市で多発する事故の特徴は

 ニューヨーク市で鳥がビルのガラス窓に衝突して死ぬ事故が後を絶たない。その数は年間9万から23万羽に上るといい、市議会ではビルに鳥が認識しやすいガラスを使うことを義務付ける条例案も審議されている。amニューヨークが23日、報じた。
 同紙が野鳥擁護団体ワイルド・バード・ファンド(WBF)代表のリタ・マクマホンさんに聞いたところによると、鳥はガラスに反射して見える木を本物の木と誤って認識し、速度を上げて突っ込んでいく。くちばしや羽、目、頭蓋骨に損傷を負い落下、脳震盪や出血に苦しんで死ぬという。
 市内でビルに衝突して死亡した鳥の多くは、ノドジロシトド、ムシクイ、キクイタダキ、ツグミなどで、地域に馴染みがない渡り鳥も衝突の危険性が高い。ガラス張りのビルが多いマンハッタン区金融街や、周辺に木が多いセントラルパーク周辺など、鳥の衝突が集中して起きているビルもある。全面ガラス張りに限らず、小さな窓しかないビルでも同様の事故が起きているという。
 WBFは今月12日、同区コロンバスサークルのタイム・ワーナー・センターで特に同様の事故が多発しているとツイッターで警告。「渡り鳥にとって東海岸で最も重要な飛来場所のすぐ隣にガラス面がある。これほど鳥を殺すのに適したビルをデザインするのは難しい」と投稿した。

WBFが17日にツイッター(@wildfirdfund)に投稿した、ガラスへの衝突により
安楽死させた鳥(photo: Phyllis Tseng / WBF)