収入失う従業員、移民を直撃 新型コロナ拡大で閉鎖の飲食店

 ニューヨーク州のクオモ知事とニューヨーク市のデブラシオ市長は15日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するために、持ち帰りや配達以外でのレストランやバーの営業を16日午後8時から禁止にすると発表。これら飲食業界で働く従業員たちは収入源を断たれ、経済的問題に直面している。ゴッサミストが同日、報じた。
 デブラシオ市長は行政命令の発令にあたり、「市は前例のない脅威に直面している。戦時の精神で対応しなければならない」とツイート、飲食店業界も理解を示した。しかし、現時点では営業再開の時期が明確にされていないため、従業員の多くは店が廃業に追い込まれ仕事を失うのではないかと懸念している。「学生ローンの返済ができなくなる」と頭を抱えるのはマンハッタン区ハーレムのバーでバーテンダーとして働くメーガン・レイリーさん(24)。レイリーさんは、家族を養うために1日に2つの飲食店を掛け持ちして働く移民の同僚が無収入になると心を痛める。飲食店の従業員および元従業員の一部は、収入の大部分が客からのチップとされるウエイターや下働きなど、今回の措置の影響を最も受ける人たちを支援する募金活動を始めているという。
 市長室の最新の報告書によると、市の飲食業界は年間約350億ドル(約3兆7720億円)の収益を生み、約30万人の従業員が130億ドル(約1兆4010億円)の賃金を得ている。

マンハッタン区で16日午後撮影(Photo: Yuka Takeuchi / 本紙)