今年1月からマンハッタンの60丁目以南で、クラクション騒音に対する苦情が昨年同時期よりも約70%減少していることが判明した。渋滞税の効果と考えられる。ザ・シティーが11日、分析して伝えた。

渋滞税の課金が始まった1月5日から3月6日まで、対象地域内の行政総合ダイヤル(311)に寄せられた苦情は67件。昨年同時期は219件で69%も減っている。特にジップコードが10019や10036のミッドタウン西部での減少が目立った。クラクション騒音に関する召喚状も今年の発行はゼロ。昨年は27通も出ている。
ニューヨーク州都市交通局(MTA)のジュリエット・マイケルソン政策担当副局長は「マンハッタンの生活が少し静かになった。渋滞税のもう一つのメリット」とコメント。東32丁目とパークアベニュー・サウスの角のフードトラックで毎日働くサイード・アリさん(49)は「以前は、ドライバーが理由もないのにクラクションを鳴らしていた。今では皆幸せだ」と話す。非営利団体トライステート・トランスポーテーション・キャンペーンの政策担当ディレクター、ジャギー・コーエンさんも「ドライバーがフラストレーションを感じなくなった証拠」と指摘する。
渋滞税は対象地域内での混雑を解消し、公害を減らし、MTAのインフラ投資の財源を確保することが主たる目的だ。MTAは最初の27日間で3750万ドルを徴収したと発表。目論見通りだとしている。
ただ、トランプ大統領は選挙公約で「就任1週間目に渋滞税を中止する」と宣言。先月にはニューヨーク州のホークル知事に書簡を送るなど中止に向けて始動しており、渋滞税の先行きは不透明だ。マンハッタンの静けさも束の間に終わる恐れがある。
編集部のつぶやき
騒音といえば、ニューヨーク市消防局(FDNY)の大音響のラッパ、なんとかなりませんかねぇ。あんなに喚き散らさなくても分かるっつーのに。「オラオラ感」満載でどうかと思うよ。音の暴力だわ。(A.K.)
関連記事
トランプ政権「渋滞税」中止をプッシュ NY知事、即座に抗議の提訴
RECOMMENDED
-
「1人暮らし」はつらいよ NYの生活費、全米平均の3倍
-
NY名物のステーキ、ずばりオススメの店は? セレブ御用達や「フライドポテト食べ放題」も
-
アメリカでいちばん人気の犬の名前は「ルナ」 3年連続でトップ、日本名との違いは?
-
NY初の「バンダイ」体験型施設に潜入!200台を超えるガシャポンに、アメリカ初のゲーム機も
-
連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』Vol.10 ニューヨーカーはなぜ「手ぶら」で歩く?
-
実は面白い “トレジョ” のアート、ディスプレイからパッケージまで「気が付かないのはもったいない」
-
無料で雑誌「The New Yorker」の世界にどっぷり浸れる、今行くべき展覧会
-
不要なものを買わない方法 NYタイムズが「節約術」を紹介
-
NYの江戸前すし店「すし匠」の魅力は 「すしで息する」中澤さんのこだわり技
-
横浜駅前で暴走の男 “覚醒剤”や注射器100本押収