今月9日から配信中のNetflixの新作映画「Nonnas(ノンナス)」の舞台は、スタテン島のフェリーターミナルから徒歩数分の場所にある、席数35の小さなレストラン Enoteca Maria(エノテカ・マリア)だ。シェフは世界中から集まったノンナたち。ノンナとはイタリア語でおばあちゃんの意味だ。

エノテカ・マリアはイタリア系移民が多く住んでいたブルックリン・バスビーチ出身のジョディ「ジョー」・スカラヴェッラさん(69)が祖母や母親など家族を相次いで亡くした喪失感から立ち上がろうと創業。スカラヴェッラさんを演じるのはヴィンセント・ヴァーン。映画ではスーザン・サランドン、タリア・シャイア、ローレン・ブラッコ、ブレンダ・ヴァカロが演じる年配の女性シェフたちと共に店を開くまでの経緯を実話を基に描いている。
共働きだった両親の代わりに祖母のドミニカさんに育てられ、「おばあちゃんの味」の素晴らしさを知っていたスカラヴェッラさんは、実際のノンナたちを料理人として雇いたいと計画。当初はイタリア料理店として始まったが、そこは移民都市ニューヨークならでは。募集広告を見て集まって来たのは世界中にルーツをもつノンナたち。彼女たちが家族のレシピを共有するにつれ、メニューも変化し、世界各国の料理が楽しめる店に。
9日付けのタイム誌のインタビューに 「ここはレストランではない。レストランのように歩き、レストランのように匂い、レストランのように話す。だが、それはレストランではない。文化の交流なのだ」と話すスカラヴェッラさん。かねてからグローバルな料理とレシピの保存に情熱を注いでおり、ノンナたちによる無料の料理クラスも開催している。将来的には、人々が自身の家族レシピを投稿できるオンライングループを設立したいとも考えている。
スタテン島有数の大繁盛店となった現在も予約は電話のみ。予約アプリもデリバリーサービスにも全く興味がない。「私はお金を追いかけているわけではありません。夢を追いかけているのです」
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