2025年6月3日 NEWS DAILY CONTENTS

NYの “朝の定番” にも物価の波、死活問題に直面するボデガ「今は生き残るだけで精一杯」

「ベーコン・エッグ・チーズ・サンドイッチ」の価格が物価高騰の影響で上昇している。通勤途中に、あるいは仕事前にボデガでこのサンドイッチとコーヒーを買うのが「朝の行事」となっているニューヨーカーにとっては痛手だ。だがそれ以上に、ボデガの経営者にとっても現在の物価高は死活問題になっている。ニューヨークタイムズが5月31日、伝えた。

写真はイメージ(photo: Unsplash / Hybrid Storytellers)

ブルックリンのイーストフラットブッシュにあるボデガ、エル・バシロン・グロッサリーは、2019年から4.50ドルだった価格を今年初めて5ドルに値上げした。店主のメロス夫妻によると、卵の仕入れ価格が1ダース2〜3ドルだったのが一時8ドルを超えたことが主な理由だという(卵の価格が落ち着いた現在は1ダース3.95ドル)。サンドイッチ1個に必要なベーコンやチーズ、パンなどの原材料も軒並み値上がりし、加えて電気代、ビルの固定資産税、人件費などのコストも上昇。店の売上は過去25年で1日平均3000ドルから2000ドルへと減少した。メロス夫妻は、収益確保のためには全商品の価格を見直さざるを得ないと話す。

ボデガは地元住民の生活に欠かせない存在だ。米ボデガ協会(United Bodegas of America)の調査によると、ニューヨーク市内にはボデガが約1万5000店ある。これらの店舗の大部分は数百平方フィートの小さなスペースで、街角に立地し、コンビニエンスストアとデリを兼ねる役割を果たしている。大手スーパーのように大量仕入れができないため、価格競争では不利な立場にある。加えて、消費者も生活費の高騰に苦闘しているのが現状だ。メロス夫妻は「今は生き残るだけで精一杯」と顔をしかめた。

                       
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