女性用ハンドバッグの存在感が薄れつつある。このトレンドをニューヨークタイムズが「ハンドバッグはオワコン?」との見出しで伝えている。

マンハッタンに再オープンした老舗ディスカウントストア、センチュリー21に並ぶブランドバッグ。ハンドバッグ市場にも変化の波が広がっている(photo: Miki Takeda)

ファッション検索サイトのLystによると、2026年4月の女性用ハンドバッグ需要は前年同月比で5.5%減少。一方で、ブリーフケースの検索数は14%増加し、ポケット付き衣類の検索数は今年1月から4月の間で542%も伸びたという。

憧れの「Itバッグ」は終わり?

かつてはブランドバッグが“成功の象徴”とされ、「Itバッグ」と呼ばれる人気商品が一世を風靡した。しかし現在は、ファッションの価値観も多様化している。記事では、トレーダー・ジョーズのコットン製トートバッグや、プラダ、ザ・ロウなど、それぞれ異なるライフスタイルや価値観を象徴するバッグが支持されていると分析。高級バッグの価格高騰もあり、新作より中古やビンテージバッグを選ぶ人も増えているという。

トレーダー・ジョーズの人気ミニトートシリーズ(photo: Miki Takeda)

スマホ時代は手ぶら時代

スマートフォンの普及もバッグ事情を変えている理由の一つだ。以前のように書類や小物を大量に持ち歩く必要がなくなり、ポシェットやファニーバッグなどの小さなバッグで十分事足りるようになった。携帯電話のみを持って出かける人も少なくない。

「バッグを持たないこと」が権力の象徴?

記事はさらに、「社会的権力を持つ人ほどバッグを持たない傾向がある」と指摘する。周囲に荷物を管理するスタッフがいるため、自分でバッグを持つ必要がないからだという。実際、ヒラリー・クリントン元国務長官やナンシー・ペロシ元下院議長、ミシェル・オバマ元大統領夫人らがバッグを持って歩いている姿はほとんど見たことがない。ファッション界の重鎮、アナ・ウィンター氏も、普段はスマートフォンだけを持ち歩くことで有名だ。

終わりつつあるのはバッグそのものではなく、“バッグが主役だった時代”なのかもしれない。バッグを巡るトレンドの変化は、現代の価値観やライフスタイルの変化を映し出している。