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【6月29日付ニューヨークタイムズ】医療保険会社大手エトナは6月29日、本社を164年間続いたコネティカット州ハートフォード市からニューヨーク市に移転すると発表した。ハートフォード市は現在、深刻な財政問題に直面しており、同社の本社移転は大きな打撃となりそうだ。
誘致に関しては多くの都市が名乗りを挙げたが、ニューヨーク州が、同社が生む雇用の数に応じた州税の控除を、またニューヨーク市経済開発公社が固定資産税と消費税の控除という形で約1000万ドル(約11億円)相当の奨励金などを申し出たことが決定打となった。ハートフォード市も同様の条件で残留を求めていたが、同社は、「優秀な人材の宝庫であるニューヨーク市が、社の将来にとって有益である」と判断したもよう。
8900万ドル(約100億円)をかけて、マンハッタン区9番街にあるビルを改装し本社とする。本社がニューヨーク市に移転した後も、約5000人の従業員はコネティカット州に残る見通し。
ハートフォード市の保険業界における労働人口は、1990年の6万人から、今年は3万7000人まで減少している。

コネティカット州にあるエトナ社の本社ビル(photo: Sage Ross)
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