ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は6日、小学校就学前の幼児教育(pre-K)の普及に向けた政策を今後も続行していく考えを明らかにした。一方で、ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ新市長との間で政策の資金源を巡る方針のずれが見られる点に関しては、明言を避けた。
クオモ知事は再選を果たした昨年の選挙で、税率の引き下げを主要政策のひとつに掲げている。一方で、デ・ブラシオ市長は富裕層の所得税を増税し、金融危機などの非常時にも確保しやすい「専用の財源」として、幼児教育プログラムの資金に充てる計画を前面に押し出している。
クオモ知事は、「幼児教育が重要であり、普及を加速させるべきであることは間違いない。だが普及の実現に際しては、資金源をどうするかという問題が出てくる。これは、州議会において他のすべての課題と共に幅広く話し合うべき問題だ」と述べた上で、資金に関する交渉を始める前に、導入する学区数や校舎建築の可能性などを明確にする必要があるとした。
しかしデ・ブラシオ市長は同日、東ハーレムにある早期教育センターで演説し、「(ニューヨーク市は)市内の税率引き上げについて州の承認を得ようとしているだけで、クオモ知事の増税戦略と相反するものではない」と述べた。
また同市長は、「この計画は、州議会で一部の支持を得ながらも過半数に達しない状態が過去15年にわたって続いてきた。今こそ、達成すべき時が来ている」と語り、増税と幼児教育普及に向けた決意を強調した。
州では全州規模の幼児教育普及が長年の課題となっており、これまでに全700学区中450学区が導入している。専門家によれば、幼児教育プログラムは子どもが小学校就学に備える上で重要な役割を果たし、特に低所得者居住区では大きな効果が期待できるという。
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