2026年6月16日 NEWS DAILY CONTENTS

NYの地元スーパーが消える前に 食料品価格の不公平是正へ、新法案が前進

ニューヨークの独立系スーパーマーケットやボデガが大手チェーンとの仕入れ価格差に苦しんでいる。大手は大量購入により割り引きを受けられる一方、小規模店は同じ商品でも高い卸値を求められる。その結果、利益を削るか、店頭価格に転嫁せざるを得ない。この状況を変えようとニューヨーク州の上院と下院議員が、消費者向け食料品価格公正法(Consumer Grocery Pricing Fairness Act)案を提出。法案は州上院を通過し、下院での採決を待っている。

近隣に大型チェーン店がある独立系店舗は、価格競争に巻き込まれ苦戦を強いられている(16日、ブルックリン・プロスペクトハイツ / photo: 本紙)

コーデル・クレア上院議員(民主)とマイカ・ラッシャー下院議員(民主)が提出した法案は下院での採決待ちだが、可決される見通し。可決されれば、ホークル知事に送られ、署名を経て施行となる。

消費者向け食料品価格公正法案とは

価格均等化義務 大手サプライヤー(年間売上高60億ドル以上)は、小売業者の規模にかかわらず、全ての小売業者に対して同等の販売条件、販促手当、およびパッケージサイズを提供することが義務付けられる。

掠奪的慣行の禁止 アクセス差別(サプライヤーが大手チェーンを優遇するために小規模店舗との取り引きを打ち切る行為)を禁止し、主要な小売バイヤーがサプライヤーに優遇取引を強要した場合、そのバイヤーに責任を負わせる。

価格の透明性 書面による要請があった場合、サプライヤーは主要な小売業者との契約における販売条件を匿名化した形で提供することが義務付けられる。

執行 ニューヨーク州司法長官、または被害を受けた当事者は、差止命令の取得や、実際の損害額の最大3倍に相当する民事罰金の支払いを求める訴訟を提起することができる。

市営食料品店の新設より既存店と協力を

法案の支持者は、独立系店は地域経済と住民の生活に欠かせない存在だと訴える。特にスーパーマーケット、専門店、ボデガが多い地域では、日常の買い物を支える重要なインフラだ。

主にニューヨーク市などの都市部にある独立系食料品店のオーナーなどで構成され、全米で約800のスーパーマーケットが加入する全米スーパーマーケット協会(NSA)のネルソン・エウセビオさんは記者会見で、「(価格競争に負け)地元の店がなくなれば、私たちの『味わい』も失われてしまう」と述べ、小規模店は地域の文化や食習慣を理解し、移民コミュニティーが求める「故郷の味」にも柔軟に対応できると強調した(6月14日付コロンビアスペクテーター)

エウセビオさんはマムダニ市長が提案する市営食料品店計画を批判し、既存の食料品店と協力する方が現実的だと主張。「市や州が独立系食料品店とより緊密に連携すれば、価格は下がるだろう」と述べ、法案が成立すれば、「地元店の存続と食料品価格の安定に役立つ」と期待を込めた。

地元で長年愛されたボデガも廃業に追い込まれた(16日、ブルックリン・プロスペクトハイツ / photo: 本紙)

生活費の高騰が続く今、地元店への支援は単なるサポートの枠を超え、ニューヨーク独自のアイデンティティーとコミュニティーの豊かさを次世代へつなぐ試みでもある。

トマトの価格もこんなに違う

全米チェーン店および倉庫型会員制店

コストコ 1ポンド当たりの価格は最も安いが、大量購入(通常2~3ポンド)が必要で、会員資格も必要。樹上完熟トマトやビーフステーキトマトは通常、1ポンド当たり0.80~1.50ドル前後。

トレーダー・ジョーズ 全米で固定された予測可能な価格設定を採用、プライベートブランドに大きく依存。通常、カンパリ種やマルチカラーのトマトのパックが約3.49~3.99ドル(1ポンド当たり約2~2.50ドルに相当)。

ホール・フーズ・マーケット 一般的な「365」ブランドや「ヴァインライプ」トマトは、1ポンド当たり通常、2.49~3.49ドル。Amazon Prime会員には毎週セールあり。

独立系・地元店舗

地元のボデガ 単位当たりの価格では最も高価。大規模な保管施設や大量購入による割り引きがないため、ばら売りのトマト1個当たりの価格は1.50~2.50ドル。

キーフード フランチャイズオーナーによって異なるが、価格は一般的にトレジョより15~30%高くなる。樹上完熟トマトやビーフステーキトマトは、1ポンド当たり1.99ドルから3ドルの範囲が一般的。

ダゴスティーノ ばら売りの一般的なトマトは、品種(例:ローマ、ビーフステーキ)によっては、1ポンド当たり4ドルを超え、8ドル近くになることも。

                       
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