米国土安全保障省(DHS)が、外国人労働者の失業後に認められている「最大60日間の猶予期間」の廃止を進めている。トランプ政権の移民抑制政策の一つ。移民法専門メディア、フラゴメン(Fragomen)が8月28日、伝えた。提案は同27日、ホワイトハウスの審査を終え、今後正式に公表される見通し。

廃止の提案は、トランプ政権による移民抑制策の一つとみられる。写真はイメージ(photo: Unsplash/ at)

合法移民の流入・定着「抑制」が狙い

現在、H-1B(専門職)やL-1(企業内転勤者)、E-1・E-2(貿易・投資)O(通称アーティストビザ)などの就労資格でアメリカに滞在している外国人は、解雇や退職で雇用が終了しても一定の条件の下で最大60日間のグレースピリオドが認められている。

猶予期間は2017年に導入されて以来、高度人材が不意の解雇に遭った際に「次のスポンサー企業を探す」「他の在留資格へ変更する」「合法的に帰国準備をする」ための不可欠なセーフティネットとして機能してきた。これを廃止・大幅制限することは、合法移民の流入・定着を強く「抑制」する効果を持つ。

日本人駐在員にも影響の可能性

H-1BやL-1、E-1・E-2は日本企業の駐在員やアメリカで働く日本人が少なからず保持する在留資格だ。そのため、廃止が実現すれば、日本人駐在員やその家族にも大きな影響がある。

まだ「廃止決定」ではない

ただし、現時点で60日間のグレースピリオドが廃止されたわけではない。今回終了したのは提案を公表する前の審査で、詳細はまだ正式に発表されていない。今後、公表されれば、廃止の具体的な方法や例外措置の有無などが明らかになる見通し。それまでは、グレースピリオドは引き続き適用となる。