ちょっとした「やってみよう」が、人と人をつなげ、地域を支えているニューヨーク。ボランティア活動でのリアルな声や、心動く瞬間をNY de Volunteer がお届けします。

私たちNY de Volunteer は、社会課題の解決に向けて自ら考え行動する「チェンジメーカー」を育てることを目的に、2003年からニューヨークで活動している非営利団体です。

NY de Volunteer は、コニーアイランドを訪れた一人の日本人女性が、あまりに汚いビーチにショックを受け、「何かできることを」と、自らの手でごみ拾いを始めたことから始まりました。連載では、活動現場での人と人との触れ合いから生まれる、さまざまなエピソードをお届けしています。

「NYで何か新しいことに挑戦したい」。そんな思いからNY de Volunteer のボランティア活動に参加し、その後は運営スタッフとして約7か月間活動した、元スタッフのまりさん。帰国後、日本で仕事に復帰した今も、「ニューヨークでのボランティア経験は、自分の強みとして語れる財産になった」と話します。今回は、まりさんが活動を通して感じたことや、帰国後に生きている経験について聞きました。

求職中の1年間を意味のある時間に

夫の大学院留学に伴い2025年5月、1年間休職してニューヨークへ。来米前から「せっかくの休職期間だから、何か身に付けて帰りたい」との思いがありました。語学だけでなく、「アメリカらしい経験」を探す中で出会ったのがNY de Volunteer でした。

日本ではボランティア経験はありませんでしたが、「アメリカではボランティア文化が根付いている」と聞いて興味を持ち、自ら参加を決めたそうです。

最初の一歩は「まず参加してみる」

最初に参加したのは、NY de Volunteer で募集していたスープキッチンです。スープキッチンとは、ホームレスや低所得者など、食料に困窮している人々に無料で温かい食事を提供する慈善施設や炊き出し活動のこと。活動を通して印象に残ったのは、支援を必要とする人だけではありませんでした。

「現地のボランティアが、『これが自分のルーティンなんだ』と話していたのがすごく印象的でした。誰かを助けることが特別なことではなく、生活の一部になっている。その文化に触れられたことが、私にとっては一番大きな学びだったかもしれません」

運営スタッフの雰囲気にも惹かれ、「このメンバーと一緒に活動したい」と感じたことが、応募の決め手になりました。

スープキッチンに初めて参加

運営スタッフだからこそ得られた経験

運営スタッフとしては、JAMSNET(ジャムズネット)※のイベントや、日本の高校生と現地大学生をつなぐ交流プロジェクトなど、さまざまな企画に携わりました。JAMSNETのイベントに出席した際には、ニューヨークで活躍するさまざまな日本人NPOとのつながりを知り、「世界のどこにいても、支え合える日本人コミュニティーがある」ことを実感したそうです。

※JAMSNET(Japanese Medical Support Network)海外に暮らす在留邦人の心身の健康と生活を日本語でサポートする、医療・福祉・教育・心理分野の専門家や団体のグローバルネットワーク。

また学生交流プロジェクトでは、現地大学生との調整やイベント運営を担当し、国籍や年齢を超えて協力しながら一つのプロジェクトを作り上げる経験は、ニューヨークならではだったと振り返ります。そして、スタッフとして活動したからこそ得られたものが、もう一つあったといいます。

「私はニューヨークでは働けない立場だったので、自分の社会とのつながりが少し薄くなったような感覚がありました。でも、スタッフとして活動する中で、それまでの社会人経験で得たスキルを生かすことができたうえ、さまざまな業界で働いてきた人と一緒に活動できたことは、本当に面白かったですね」

JAMSNETが主催するパーティーにも出席しました

帰国後に気づいた「経験こそ強み」

帰国後、日本で仕事に復帰してから、この経験の価値を改めて実感したそうです。

「会社では目標設定の際に、『自分は何ができるのか?』『会社に何を還元できるのか?』を考える機会があります。そのときに、ニューヨークでのボランティアやNPOでの活動経験は、自分ならではの強みとして言語化できることに気づきました」

また、休職期間について聞かれることも少なくありません。

「『休職中に何をしていたの?』と聞かれたときに、ボランティア活動や運営スタッフとしての経験について自信を持って話せました。海外で生活し、英語の勉強と並行して自分なりに挑戦した経験は、自分にとって一生の財産になりました」

まりさんは、ボランティアは「誰かのため」だけではないとも話します。

「もちろん見返りを求めてやるものではありません。でも振り返ると、活動を通して充実した時間を過ごしていたのは私自身でした。誰かの役に立てるという実感は、自分自身の活力にもなっていたと思います」

文化祭では現地の高校生に折り紙をレクチャー

これから参加を考えているあなたへ

最後に、これから運営スタッフへの応募を検討している人に向けてメッセージをいただきました。

「最初は時間が取られるのではないか?自分にできるだろうか?などと不安に思う人も多いと思います。でも、NY de Volunteer には、同じように海外で暮らす仲間と出会えるコミュニティーとしての魅力もあります。国籍やバックグラウンドを超えた交流や活動は、海外生活ならではの大きな刺激になると思います」

そして、こんな言葉で締めくくってくれました。

「休職や帯同でニューヨークで暮らしていて、『この時間を何か形にして残したい』と思っているなら、本当にぴったりの場所だと思います。やりたいことを自分で企画できる自由度もありますし、自分自身も成長できる。私にとってNY de Volunteer は、ニューヨーク生活をより豊かなものにしてくれた存在でした」

活動を共にした運営スタッフのメンバー

ニューヨークで過ごす時間には、限りがあるかもしれません。だからこそ、その時間を誰かのために使うことが、自分自身の未来にもつながる——。まりさんのお話には、そんなメッセージが込められていました。

※今後の活動については、NY de VolunteerのウェブサイトやSNSアカウントでお知らせする予定です。

執筆:NY de Volunteer 運営スタッフ

NY de Volunteer

市民の社会参加やボランティア活動を推進し、グローバルリーダーの育成を通じて、社会課題の解決に向けて自発的に考え、行動する「チェンジメーカー」を社会に送り出すことを目的に、2003年から活動する非営利法人。公式SNSでは、ニューヨークでのボランティア活動の魅力や、イベント情報を配信中。フォロー&いいね!をお待ちしています。

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