NY州は「人権」認めず 拘禁されたチンパンジー救済訴訟で

 【8日NBCニューヨーク】ニューヨーク州控訴裁判所は8日、トレーラーに閉じ込められているチンパンジー2頭に人間と同等の権利はないとの判断を下した。
 訴えを起こしていたのは、フロリダ州に本拠を構えるノンヒューマン・ライツ・プロジェクト。同団体のスティーブン・ワイズ弁護士は今年3月、雄のチンパンジー、トミーとキコが州都オールバニ郊外でトレーラーの中に拘禁されていると指摘。二足歩行のチンパンジーは木や石を道具として使うことができ、簡単な言語を理解する場合もあるため、人間と同様に「不当な拘禁から保護する権利」を認めるよう主張していた。また、この2頭をフロリダ州の屋外保護施設に移して解放することも求めていた。
 しかし、同裁判所は「単に他の施設に移すことを求めているのであれば、拘禁状態から保護する権利の議論は的外れだ」として地方裁判所の判決を支持、同団体の主張を退けた。併せて動物の法的権利についての決定は立法府に委ねるべきだとの見解も示した。
 これに対しワイズ弁護士は、「2000年以上にわたる歴史の中で、動物は法の下の権利を否定されてきた。人間と同等の権利が認められるまで争い続ける」とし、州最高裁に控訴する意向を示している。

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