「備えあれば憂いなし」 核シェルター、NY市内に多数存在

【10日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】米朝関係の緊張で核の脅威が高まっているが、あなたがニューヨーカーなら安心を。市内には随所に核シェルターが存在するからだ。
 核シェルターの建設がニューヨークで始まったのはネルソン・ロックフェラーが知事だった1960年。ソ連の核攻撃を懸念した同知事はシェルター建設計画を発案、公邸だけでなく3つあった私邸の地下にもシェルターを作った。
 61年に大統領に就任したジョン・F・ケネディー(民主)は、全米で核シェルター計画を展開。62年にキューバ・ミサイル危機が勃発すると、市内にシェルター建設ラッシュが起きた。個人の住宅だけでなく、ミッドタウンイーストのウォルドルフ・アストリア・ホテル、ウォール街の旧チェースマンハッタン銀行本店のビル、ブルックリン橋の下などにもシェルターが設けられたとされる。
 米陸軍工兵司令部が1963年に調査したところ、市内にはシェルターが1万7448カ所あり、約1170万人の収容が可能だったという。トイレットペーパーなどの必需品も完備されていたが、1966年までには「市の人口分を賄うほどの数は常備されていない」とニューヨークタイムズ紙が伝えている。

Peter Burka

Peter Burka