運転士に睡眠障害検査を 居眠り運転による列車事故多発で

 【28日付amニューヨーク】運転士の居眠りによる一連の列車事故を受け、ニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員(民主)およびニュージャージー州選出のコリー・ブッカー上院議員(民主)は28日、全ての列車と商用車両の運転士に、睡眠障害の検査を義務付ける法案を発表した。
 2016年9月29日、ニュージャージー州のホーボーケン駅で、ニュージャージートランジット(NJT)の列車が線路の終点で止まらず壁に突っ込み、プラットホームで電車を待っていた女性がその衝撃で落下したがれきの下敷きになり死亡した。今年1月には、ブルックリン区のアトランティックターミナル駅で、制限速度を大幅に超え走行していたロングアイランド鉄道(LIRR)の列車が線路終点の車止めの隆起にぶつかり脱線、100人以上が負傷した。
 米連邦捜査局(FBI)は先週、両事故の運転士が閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患っていたことを確認した。同疾患は、睡眠時に咽頭筋が緩み気管を防ぐことで呼吸が止まるもので、注意力が衰え、無意識に眠りに落ちやすくなることがある。同法案では、運転士の雇用時と5年ごとの検査を義務付ける。
 NJTは、16年10月から安全性が重要視される職務に就く職員に疲労がみられた場合、その職務から外す新方針を導入している。また、睡眠時無呼吸症候群の検査は05年から行っており、今後も検査を続けると表明している。