大規模災害に備えた防潮堤を 環境団体が船上で呼び掛け

 【10日付ニューヨークタイムズ】非営利の環境団体、ナショナル・インスティチュート・フォー・コースタル・アンド・ハーバー・インフラストラクチャーが10日、ニューヨーク市を高潮から守る防潮堤建設を呼び掛けるヨットツアーを開催した。同団体は、2012年10月に襲来したハリケーン・サンディで大きな被害を受けたにもかかわらず、市は、次の災害に備えた準備が万全に講じていないと訴えている。
 自由の女神やブルックリン・ブリッジ・パークなどを巡る2時間のヨットツアーは、大型ハリケーンなどの災害に備えた防潮堤を建設するための条例制定への支援を目的としており、同団体のメンバーは、「防潮堤を建設しなければ、これらの人気のスポットや周辺の住宅、商業地域が再び水没することになる」と警鐘を鳴らした。
 ストーニーブルック大学の海洋物理学教授のマルコム・J・ボウマンさんによると、市は災害からの復興力を高めるために、水門や防壁を建設するなど数々の計画を実施してきたが、大規模なものは1つも建設されていないという。ボウマンさんは、05年にハリケーン・カトリーナがルイジアナ州ニューオリンズを襲った後にも、市に防潮堤を建設するよう訴えていた。

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