抗不安薬や睡眠薬の処方数が増加 コロナ禍のストレス、依存症の懸念

 全米ではこのところ、コロナ禍のストレスが影響し、抗不安薬や睡眠薬の処方数が増加。薬の依存症や乱用の懸念があるとして医者が警鐘を鳴らしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが25日、報じた。
 ミズーリ州を拠点とする薬剤給付管理会社(PBM)のエクスプレス・スクリプツによると、2月中旬〜3月中旬、抗不安薬の処方箋数が34.1%増えたと報告した。抗うつ薬は18.6%、睡眠薬も14.8%の増加だった。新型コロナウイルス感染の不安、外出制限による孤独感、失業・困窮などのストレスが主な原因だ。全米精神医学会が3月25日に発表した調査結果によると、全米の3分の1以上の人は、コロナ禍がメンタルヘルスに「多大に影響している」とした回答した。
 抗不安薬として処方されるベンゾジアゼピン系薬は即効性が認められているものの、耐性から用量を増やす必要がでてくる。依存症に陥る恐れもあり、乱用すれば呼吸困難による死の危険もある。
 ワシントンD.Cの精神科医、ベス・サルセドさんは、精神の健康を維持し、薬物依存を防止する方法として「適度な運動と健康的な食事。アルコールを控え、家族や友人と連絡を絶やさないようにすること」とアドバイス。不眠症対策にも「眠くなるまでベッドに入らない」などの認知行動療法を推奨する。ジョンズポプキンズ・メディスンの医師、ジェームズ・ポタッシュさんは「生活習慣をを良くすることが、何よりも大事」と話している。

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