9月23日 編集後記 国連からのリマインダー:持てるものと持たざるものの現実





9月23日 編集後記

国連からのリマインダー:
持てるものと持たざるものの現実




編集部が気になった1週間の出来事

1歳児死亡、薬物中毒で NYPD、デイケア運営者と住人を逮捕
乳幼児を預ける場所に薬物があると誰が想像できただろうか。あまりにショッキングなニュース。(編集部 I)

OMNY利用率、高いのは高級化地域 高齢者、低所得者エリアは低いーMTA
電車賃が値上げされる中、少しでも安く、誰もが簡単に利用できるような社会になればと願う。(編集部 Y)

ふた付きごみ容器、全事業者に義務化へ NY市、ネズミ対策をさらに拡大
ごみが少なく、ネズミもいない、きれいな街になることを期待したい。(編集部 W)

 

編集後記   国連からのリマインダー:持てるものと持たざるものの現実

皆さん、一週間お疲れさまでした。今週は、国連総会による渋滞がすごかったですね。先週末の7.5万人超の気候変動対策促進デモも含めて、やはりNYには世界中の人が集まってきますね。(マンハッタンの車は、時速6kmとも。)NYのホテル業界も、今年7月時点で営業利益がコロナ前を上回るなどビジネス・観光客もほぼコロナ前に戻っている(コロナ前に比べて、稼働率は-7%だが、価格が+17%。8月平均宿泊料は一泊$260。)ので、渋滞具合もほぼコロナ前に戻ったというところでしょうか。(ちなみに、今年のNYの訪問者数見通しは、6,300万人。日本は、過去最高の2019年でも3,200万人弱。)やはり国連総会ということで、服装はしっかりとした人が多かったので、少し引き締まった気持ちになりましたし、あらためて世界を取り巻く多くの課題を見つめなおすいい機会になったと思います。

今年、世界人権宣言採択や国連平和維持活動が75周年を迎えた国連では、「信頼の再構築とグローバルな連携の活性化:すべての人々にとっての平和、繁栄、前進、持続可能性に向けて、2030アジェンダとそのSDGsのための行動を加速させる」をテーマに掲げていました。

国際平和に関しては、ロシアによるウクライナ侵攻後はじめて、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が、国連本部を訪れ、対面で演説を行いました。安全保障理事会では、ロシアの拒否権による国連の無力さを訴えるとともに、ロシアが食料からエネルギーまであらゆるものを“武器”として利用していると非難し、“不公平な”停戦を目指す動きをも警告しました。ゼレンスキー大統領は、その後DCを訪問しましたが、肝心のアメリカ自体が、共和党内の不一致が原因で、つなぎ予算を成立させることができず、ウクライナ支援も確固たるものにできないなど、非常にストレスのたまる行程であったように思います。

ウクライナの厳しいところは、自国の運命を外国に頼らざるを得ないところ(自国防衛のためには、外国からの援助、特にアメリカ、が必須条件)であり、それは世界中の多くの国同様に、GDP世界第3位を誇る日本も同じ状況だと思います。(特に、日本は、食料と燃料を自給自足できないので。)国連の機能不全自体はさけばれてひさしいですが、台湾問題が取りざたされるなか、地政学的リスクは、日本にとっても他人事ではないと思います。GDP世界第1位と第2位の軋轢が高まる中、国際連盟失敗による悲惨な体験を有する日本としては、日本および日本人の今の生活を持続するためにも、改めて世界とのつながりを強化していく必要があるのではないかと感じました。

せっかく国連総会が終わったというのに、今週末は熱帯性低気圧により、あいにくの雨模様ですね。国連総会のおかげもあり、いろいろと考えさせられることが多かったので、週末ぐらいは、雨音を聞きながら、ゆっくりと季節の変化を感じるのがいいのかもしれませんね。ではよい週末をお楽しみください。

代表 武田秀俊


今週の1枚

New Yorkには多様な生活がありますが、やっぱりお金は必要。 特に、この物価では。。。
Life Underground @ 14th Street/Eighth Avenue station


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