ブロンクスの一角に広大な敷地を誇るウッドローン墓地。1863年創設された同墓地に眠る日本人は医学者の野口英世のみならず、化学者で実業家の高峰譲吉博士を忘れてはならないだろう。タカジアスターゼとアドレナリンという二つの薬を発明した高峰にちなんで命名されたウイスキーが、このほどアメリカに上陸した。ニューヨーク・タイムズが1月末、伝えた。


「タカミネウィスキー8年」は、老舗の日本酒蔵元の篠崎(福岡県朝倉市)が2021年に商品化。100%大麦を使用し、アメリカンオークの新樽とバーボンの旧樽で熟成されている。このウイスキーは、博士が19世紀末に開発した麹を使っているのが特徴だ。アメリカでの価格は、99.99ドル。高峰はスコットランドに留学中、麹を使った発酵が麦芽を使った発酵よりも効率的なことを発見した。
高峰は1890年代、アメリカ人女性と結婚。イリノイ州シカゴで暮らしながら、同州内のピオリアで麹発酵でのウイスキー製造を始めた。蒸留所が火事で焼失した後は、ニューヨークで医学研究に専念し、アドレナリンの発明に至った。以後、ワシントンのポトマック河に桜の木を寄贈するとともに、マンハッタンに日本クラブを設立した。その功績は世紀が変わった今も、広く受け継がれている。
編集部のつぶやき
行きつけのクリーニング店の韓国系アメリカ人のお兄ちゃんも、酒屋のブラックのお兄ちゃんも、アイリッシュ系のおじさんも、み〜んな日本産ウイスキーのファンです。その魅力を熱く語られて、びっくり。(A.K.)
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