もう「異常気象」などと言っている場合ではないほど、猛暑は過酷だ。世界中で最高気温が更新されている。日本でも、先日、観測史上最高の41.8℃が記録された。
それなのに、温暖化対策はまったく進んでいない。トランプのような化石アタマ人間によってないがしろにされている。しかし、そんな状況はもう続かないだろう。いずれ、温暖化阻止のために人類は持っている資源をつぎ込むことになる。
そこで、今回は温暖化の現状と、なぜ対策が進まないかを考え、いま注目されている「気象制御」について見てみたい。将来を見据えた投資家が行なっているのは、「AIビジネス」と「温暖化阻止ビジネス」への投資だ。はたして、気象は制御できるのだろうか?
■アジアは地球平均の2倍以上速く温暖化が進行
まずは、温暖化がどの程度進んでいるのかを確認したい。
2015年のパリ協定の目標は、19世紀後半の工業化以前と比べて気温上昇を1.5℃以内に抑えることだが、この目標は達成不可能な状況になっている。
最新の専門家60人による研究報告(2025年6月20日BBCが報道)によれば、現在のCO2排出量の水準がこのまま続けば、あと3年で1.5℃を突破するという。すでに昨年(2024年)は、年間平均気温が初めて1.5℃を突破したことが判明している。
もう改めて書くのも嫌だが、今年の日本の夏は「猛暑」を通り越して「酷暑」である。昨年以上の暑さで、これがおそらく来年以降も続くのだろう。
世界気象機関(WMO)が6月23日に公表した「アジアの気候の現状2024」によると、アジアは、地球平均の2倍以上の速さで温暖化が進んでいる。なかでも日本は顕著なのだという。
■人類の約半分が生存敵地の外に住むことになる
酷暑、豪雨、水害、豪雪、海面上昇、干ばつ、大型台風——このまま温暖化が進むとどうなるかは、すでに、山ほど警告が発せられている。
よく引き合いに出される米国科学アカデミー紀要に載った中国・米国・欧州の研究者チームの論文によれば、50年以内に全人類の3分の1が住む場所が、サハラ砂漠のもっとも高温なところと同じくらい暑くなる。そして、人類の約半分が、過去6000年にわたって生存してきた気候適地の外に住むことになるという。
人類のほとんどは、気温が6℃~28℃の地域に住んでいる。これが生存適地だが、このエリアが今後、どんどん縮小していくというわけだ。となると、このままなにもしなければ、気候難民が大量に発生し、人口大移動が起こる。
いま、世界中で、移民排斥運動が起こっているが、そんなことなど言っていられない。生存不敵地に住む人々は、命の危険に晒されるのだ。すでに、この気候難民は発生している。
この続きは9月11日(木)発行の本紙(ウェブサイト)に掲載します。
※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。
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