エビの天ぷらやサーモンのにぎり寿司のおいしさを知ってしまったジェネレーションα(アルファ)。その代償を支払う親からは悲鳴が上がっている。2日付のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。

カルガリーに住む専業主婦グレース・エンバリーさん(43)の8歳と6歳の兄妹の大好物は、サーモンロールやツナロール、エッグロール。子どもたちは「できれば毎日、寿司を食べたい」と言うが、エンバリーさんは週1回の外食時のみに制限。それでも支払いは1回につき150ドルにも達する。エンバリーさんは当初、手早く手軽に食べられるとの理由で子どもたちに寿司を食べさせたが、今では後悔しているという。8歳のエリオット君は、「回転寿司」が特にお気に入りだ。アシュリー・バプティストさん(32)の5歳と3歳の姉妹も「ピザより寿司」だ。パーティーに出かける際に娘たちを父親に預けた夜、父親から「ショックを受けた」との連絡が入った。「夜の9時に寿司をデリバリーしてほしいって言うんだよ」
スペイン在住のプロバスケットボール選手、ディラン・エニス(33)は、寿司好きの4歳の息子を頻繁にレストランに連れ出し、息子がプロのように箸を使う様子に人々が驚嘆する様を見て楽しんでいるという。「家庭料理で育った僕にとって、マクドナルドのハッピーミールが最高のご馳走だった。妻とよく冗談で言うんだ。自分たちが知らなかった世界観で子どもを育てているってね」
寿司に夢中だという娘の8歳の誕生日にプライベートシェフを雇い、娘と友達に寿司の作り方を教えたのはアッパー・ウエスト・サイド在住のエリカ・プライヤーさんだ。「みんな夢中になっていたわ」。ウェストチェスター在住のコンテンツクリエイター、ケイトリン・マレーさん(43)の3人の子どもたちも大の寿司ファンだ。マレーさんは心の平安のためなら出費は厭わない。「24時間365日、家族が何を食べるかを考えるのは恐ろしく気が滅入る。文句を言わずに食べてくれるものを見つけること、それに尽きるわ」
富裕層向けパーティープランナーのミシェル・シューイさんは、10代前半の子どもの誕生日に寿司職人を雇う保護者が増えていると話す。最近、ニュージャージー州のカントリークラブで8歳児のための「K-POPデーモンハンターズ誕生日パーティー」を企画し、寿司の盛り合わせを提供した。「彼らにとって寿司は、チキンフィンガーみたいなものよ」
「おまかせコースを注文する6歳児もいる」と話すのは、ニュージャージーの寿司レストラン、Shumiのオーナーシェフ、デビッド・ソさん。ソさんによると、 15 貫の寿司コース(一人95ドル)を提供する午後4時から7時までの時間帯は、子ども連れで満席になるという。
ジェネレーションαにウケる理由とは?
寿司職人から「すし飯に砂糖を多く入れれば入れるほど、(人々は)多く食べることに気づいた、と聞かされた」として、寿司には「糖分がたっぷり含まれているから子どもに好まれる」と指摘するのは、2008年に「The Story of Sushi」を出版したトレバー・コーソンさん。「大人っぽさを感じさせるから」と話すのは、コーシャー・レストラン・グループ、リザーブカットホスピタリティの料理ディレクター、アイザック・バーンスタインさんだ。ダラスを拠点とするのシェフ、ラウレアノ・エスコバルさん(40)は、6歳の娘ミミが料理の見た目に惹かれたと確信している。「フライドポテトやチキンナゲットは欲しがらない。トロピカルシュリンプの天ぷらロールを欲しがるんだ」とエスコバルさん。「初めて数個のロールを分け合った時の請求書を見て息をのんだよ。120ドルもして『なんてこった』と思ったよ。別のものを食べさせなきゃ」。では、なぜ完全に禁止しないのか?エスコバルさんは、「親たちは経済的配慮と、子どもの寿司への執着を許すメリットのバランスを取ろうとしている」と分析する。確かに高価だが、子ども向けの他の食品より栄養価が高い。エスコバルさんは「娘の食への冒険心を誇りに思っている」と目を細める。
消費者分析会社サーカナによれば、食料品店などの小売店における寿司の売上高は、2025年11月までの12か月間で29億ドルに達し、前年同期比7%増となっている。
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