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氷彫刻を通して、ニューヨークで挑戦し続ける岡本慎太郎さん。当時低迷していたニューヨークの氷彫刻業界で、質と卓越した技術、サービスを重視した作品づくりによって新たな歴史を刻んだ岡本スタジオのオーナーだ。お父さんと二人三脚で始めたビジネスの始まり(パート1)に続き、パート2では、そんな彼が氷彫刻に挑み続けるうえで大切にしているマインド、またこの街でビジネスを行っていく上での心構えについて話を聞いた。

◆ 「氷彫刻は溶けて、残るものではないからこそ」
── 岡本さんとお父さまがニューヨークで「岡本スタジオ」を始めた頃は、氷彫刻の価格競争が激しい時代。他の会社との違いは何だったのでしょう?
氷彫刻は溶けるものなので、形としては残らない。だからこそ、私は氷彫刻を単なるプロダクトではなく、サービス、そして経験だと思っているんです。初めて氷彫刻を依頼するクライアントにとっては、一ついくらするのかも分からないし、溶けて残るものでもないし・・・とてつもないリスクだと思うんですね。だからこそ、一秒でも早く「ここにお願いして良かった」と思ってもらえるように、「この人たちは信用できる」と直感的に感じてもらえる姿勢を常に意識していましたし、それは今も変わりません。

── ニューヨークでの「カクテルアイス」提供も、そんな姿勢から生まれたアイデアでしょうか?
そうですね、その頃のバー業界の流れの中に、自分たちで「ニーズ」を作りにいきました。2009年頃、今でこそ綺麗な氷を使ったジャパニーズカクテルは認知されていますが、当時はまだ誰も作っていなかった。日本は常にカクテルアイスへのリスペクトが高くて、良いレストランでは綺麗な氷をディスプレイとして見せたり、料理の演出やカクテルに使うという文化があったけど、アメリカにはそうした文化は存在していなかったんです。

でも「いつか自分たちが結び付けられるだろう」というのは頭の中にありました、そしてちょうどそのタイミングで、ニューヨークでトップレベルの隠れ家バーのプリーズ・ドント・テル(Please Don’t Tell / 略称 PDT)が、既存のカクテル文化を打ち破って新しいものをやりたい!というムーブメントを起こしていたんです。

── そこに入り込んだのですね!
それまでのカクテルの評価は、「アルコール度数が高ければ高いほど良い」とされていたので、私たちは「新鮮な素材を使ったおいしいカクテルこそ本物だ」というプレゼンを考えて、カクテルに良い氷を使いたいと思っている人たちに向けてアプローチしました。
ニューヨークで有名なバー、エンジェルズシェア(Angel’s Share)やビーフラット(B Flat)などに聞くと、シートパンに水を張って凍らせ、真ん中から外枠だけを保存して使っていた。でもその場合、正確な計量ができないんです。そこで私たちが「大きい氷からどうやって計量できるか考えます」と提案したところ、PDTのトップやモモフク(Momofuku)の関係者が興味を持ってくれ、「一緒にやりませんか?」と言ってくれたのです。

そして父とホームセンターに行っていろんな機械を買い、そこから試作を積み重ねていきました。「これがいいね」「あれがいいね」と試行錯誤を繰り返していき、徐々に形が出来上がっていったんです。そうしたら他の氷屋さんも、僕たちがやっているのを見て新しいアイデアをくれたりして。僕たちがやり始めた頃は誰もやっていなかったので、前例がなかったんです。
── 2009年頃からバー業界に関わり始めて、これまで何か変化はありましたか?
正直、カクテルアイスというプロダクト自体はそこまで難しいものではないので、誰でもできます。今では価格競争が激化していて、状況はどんどん厳しくなってきています。大手企業もどんどん参入してきているし、バーが氷マシーンを購入して自分たちで作ることもある。将来は決して楽観視できるものではありません。
でも、そんな状況だからこそ、地元のクライアントのニーズを聞いて、その先を見据えるのが僕たちの使命だと思うし、それこそトップの座に立ち続けるために不可欠だと思うので、常にクライアントの声を大切にしています。

例えば配達頻度を細かく調整したり、「どういう形で配達すれば都合がいいですか?」とヒアリングしたうえで、バーの規模によっては大きな袋ではなく小さな袋で届ける、とか。マシーンを使って氷にロゴを入れたり? バラやサッカーボールの形の氷や、クルミをフリーズした氷など、いろいろな提案も行っています。
ローカルだからこそできるスピード感を常に意識しながら、クライアントと共に作り上げる姿勢を保つことで、お客さんと長くお付き合いすることができています。
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