最近流行りのMBTI(性格タイプ診断)に例えるなら、アメリカは間違いなく「E(外向型)」の国。一方、そこで20年以上暮らしてきた私は、筋金入りの「I(内向型)」です。それも大文字の。そんな私が、この外向的な国でどんなことに戸惑い、どんなふうに暮らしてきたのか。今回は、アメリカ生活で感じる「I(アイ)型あるある」をつづってみようと思います。

内向型にとっては、こういう場も「ちょっとした試練」です

1. 恐怖の自己紹介タイム

アメリカでは、趣味やユーモアを交えて堂々と自己紹介する人が多く、「みんな話が上手だな」と圧倒されます。「では、簡単に自己紹介を」と言われた瞬間、頭の中は真っ白。「お腹が痛いことにしようか」「早退しようか」と本気で考えてしまうほど。自分の番が近づくにつれて心臓がドキドキし、人の話もほとんど耳に入りません。

2. 知らない人が話しかけてくるとき

パーティーやネットワーキングの場が多いアメリカでは、知らない人と話す機会も少なくありません。そんな場所で突然話しかけられると、完全に固まってしまいます。表情も言葉も出てこなくなり、「トイレに避難しようか」と本気で考えてしまうことも……。ところが、いったん話し始めると、意外と普通に話せたりするから不思議です。

3. 電話恐怖症

電話がとにかく苦手です。病院や美容院の予約、カスタマーサービスへの問い合わせなど、できればメールやチャットで済ませたい。事務的な用件だけでなく、個人的な電話も苦手です。
電話が鳴ると、「出る? 出ない?」と数秒、本気で悩みます。留守番電話になると少しホッとしますが、今度は「折り返す? 折り返さない?」という新たな試練が始まります。

4. 帰り道が同じ人、という気まずさ

仕事や集まりが終わって帰るとき、帰り道が同じ人がいると、少し困ります。一緒に歩いている間、何か話さなければ……と考えてしまうからです。なので先に「どちらの方向ですか?」と聞いて、もし同じ方向なら、少し時間を置いてから帰ったり、わざと遠回りして帰ることもあります。もちろん相手が嫌いなわけではありません。ただ、一人で静かに帰りたいだけなのです。

5. 密室の試練

アメリカといえばスモールトーク。特にエレベーターのような逃げ場のない空間で、知らない人と二人きりになると、かなりの確率で話しかけられます。挨拶くらいならいいのですが、そのまま会話が続くのは少し負担です。そんなときは、わざとスマホを見ているふりをします。別に何を見ているわけでもないのですが。

6. 目を合わせる文化

アメリカでは、相手の目をしっかり見ながら話すのが基本です。でも、私はこれが大の苦手。まるでにらめっこをしているようで、目をそらすタイミングが分からなくなります。まばたきも忘れてしまい、目が痛くなって涙が出てくることも……。

普段は眼鏡が不要な私ですが、大事な話のときは、PC用のブルーライトカット眼鏡をあえてかけます。眼鏡という「たった一枚の壁」があるだけで、なぜか少し安心できるのです。

7. 約束がなくなると、ちょっとホッとする

約束があれば、もちろん喜んで出かけますし、その場では思い切り楽しみます。でも、その約束がキャンセルになると、残念に思うより先に、内心ちょっとホッとしてしまうのです。

息子の高校の卒業式の日。家族と過ごす時間は、私にとって一番自然体でいられる時間です

うちの子どもたちは、夫の外向的な性格を受け継いで、とても活発です。そのおかげで、子どもが小さい頃は、友達の親との付き合いも多く、私にとっては少し苦痛でした。

昔は、内向的というと、「人付き合いが苦手」「もっと積極的になったほうがいい」と言われがちでした。でも今は、「私はI(アイ)型なんです」と気軽に話せる時代。内向的な性格も、一つの個性として受け入れられるようになった気がします。

一人で過ごす時間は、私にとって大切な充電時間。それが、私なりの心地良いアメリカでの暮らし方なのです。

今日の一言

性格に正解はない

心地良い距離感は、人それぞれ。