ニューヨーク市の子育て世帯の40%以上が、満足な食事を賄えず、週当たり205ドル不足していることが、市最大の貧困対策慈善団体であるロビンフッド財団とコロンビア大学貧困・社会政策センターによる年次食料困窮報告書で明らかになった。ニューヨーク市の成人の3人に1人以上(36%)および子育て世帯の42%が、家計を維持するためにより多くの資金が必要だと回答。いずれもパンデミック前の期間(それぞれ29%、34%)から大幅に増加している。

ロビンフッドのCEOリチャード・R・ビューリー・ジュニア氏は「食費の支払いに苦しむ世帯の約90%に就労者がいる現状は、単なる飢餓危機ではなく尊厳の危機である。彼らの収入は食料品価格の上昇に追いついていない」と話す。
報告書は、市民の食料購入能力が価格上昇にどう影響を受けたかを検証。ニューヨーク都市圏における食費は過去10年間で33%増加。報告書は、貧困ラインを大幅に上回る層を含む、所得分布全体にわたる市民が食費不足の影響を受けているとした。食費不足に直面する子育て世帯では、週当たりの追加必要資金の平均額がパンデミック前の171ドルから近年では205ドルに増加している。
報告書はまた、食料不安が貧困層に限定されないことも示している。食費不足を経験する成人の割合は全所得層で増加し、貧困ラインの300%以上を稼ぐ成人では13%から20%に急増。貧困ラインの200%未満で暮らす子育て世帯では食費不足が47%に増加し、200%以上の世帯でも25%から34%に上昇した。
コロンビア大学貧困・社会政策センターの研究アナリストで報告書の共著者であるライアン・ヴィン氏は、「データは、貧困ラインを大きく上回る所得層のニューヨーカーでさえ食料購入に苦慮する『手頃な価格の危機』が進行中であることを裏付けている」と話す。ただし、食料価格の急騰以前(市の貧困状況を追跡調査してきた10年間)から一貫して約3人に1人のニューヨーカーが毎年、食料需要を満たすのに苦労しており、「価格上昇が彼らの予算をさらに逼迫させている」と指摘した。
ロビンフッドとコロンビア大学による食料予算不足に関する追加調査結果
食料難は依然として広範に存在:2024年には、ニューヨーク市民の約3人に1人(260万人以上に相当)が食料難を経験したと報告。約55万人が深刻な食料難(食料が尽きる、あるいは尽きるのではないかと心配する状態)を経験。
フードパントリー利用率は高止まり:2024年にはニューヨーク市民の14%(約120万人)がフードパントリーを利用したと報告、利用率はパンデミック前の水準を上回ったまま。
人種格差は継続:有色人種コミュニティー、移民、女性市民は、食費予算不足の割合が著しく高くなっている。近年では、ラティーノ系市民の48%、黒人市民の41%、外国生まれの市民の45%、女性市民の38%が食費不足を経験。一方、白人市民ではわずか21%、男性市民では33%だった。
地理的格差も継続:食費予算不足率は区ごとに大きく異なり、ブロンクス住民のほぼ半数(47%)が不足を経験しているのに対し、マンハッタンでは31%だった。
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