ニューヨーク市のブラッド・ランダー会計監査官は16日、トランプ政権による関税で市内の約15万人が失業する懸念があるとする報告書を発表した。ゴッサミストが17日、伝えた。

この報告書によれば、市の税収も100億ドル減り、「深刻な景気後退」になると予測。特にレジャーやホスピタリティー業界に対する打撃が大きく、製造業や小売業にも影響が波及すると分析している。加えて、カナダやイギリスなどがアメリカへの入国に対して警告を出しており、「外国からの観光客が減るなど、既に兆候が現れている」と警鐘を鳴らした。
ただし、ランダー氏は、関税率や期間によってシナリオが変わると説明。可能性が高いのは「マイルドリセッション(緩やかな景気後退)」で、最終的な失業者は7万1200人、43億ドルの税収減になるとしている。「過去2週間、政策が猫の目のように変わり、世界市場はカオス状態」とランダー氏。「いずれにしても関税で、景気後退の可能性は高まる。世界からニューヨーク市まで、ウォールストリートからメインストリートまで、悪影響を及ぼす」として、市議会に対し、景気後退に備えて資金を蓄えておくことを提言。アダムズ市長に関しては、「トランプ政権による経済的、財政的影響を加味した対応策を全く講じていない」と批判した。
これに対しアダムズ市長の報道担当官は「市の資金的な備えは万端だ」と反論。「刻々と変わる状況をつぶさに分析し、市の健全な財政を守るために対応していく」と表明した。
市議会では先週、アダムス議長が「トランプ関税は、1968年以来最大の市に対する増税である」と主張。市内選出の共和党所属の連邦下院議員に対し「関税で市民はインフレに苦しみ、職を失うニューヨーカーも出てくる」と諭している。
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