世界中の人たちから愛されるコーヒー。長い歴史の中、国や地域によって独自のスタイルが発展してきた。グルメサイトのチョウハウンドが、15カ国のコーヒー文化を紹介している。
1. エチオピア|ブンナ(コーヒー儀式)

コーヒー発祥の地とされるエチオピアでは、豆をその場で焙煎し、香りを楽しむ伝統的な「ブンナ儀式」が日常的に行われている。特製ポットのジェベナで淹れ、3杯のコーヒー(アボール、トナ、ベレカ)でゲストをもてなす。ハーブや塩で味の変化を楽しむのが特徴だ。
2. アラビア半島|カフワ

イエメンで誕生したといわれるアラビア風コーヒー。ショウガやカルダモン、サフランなどのスパイスを使い、地域で味が異なる。大きなポット「ダッラ」で振る舞われ、もてなしの象徴とされる。
3. インド|カーピ

チコリを加えた独特の風味が特徴。真鍮フィルターで抽出し、砂糖と温めた牛乳を「ダハラ」と呼ばれるカップ&ソーサーで高い位置から注ぎ混ぜ、泡立たせる。南インドの家庭で広く飲まれている。
4. ベトナム|カフェ・スアダ(練乳アイスコーヒー)
金属フィルター「フィン」で濃く抽出したコーヒーに練乳と氷を加える定番の一杯。街のカフェは深夜まで営業し、社交の場として愛されている。
5. メキシコ|カフェ・デ・オジャ

シナモン、クローブ、黒糖(ピロンシージョ)を陶器のポットで煮込む、革命時代から続く伝統飲料。甘くスパイシーな味が特徴。
6. ブラジル|カフェジーニョ

ブラジル人の生活に欠かせない濃厚な「小さなコーヒー」。細かく挽いた豆と砂糖を使い、濃い焙煎で淹れた小さくて濃い、甘みのあるコーヒー。砂糖入りで提供され、ブラジルの人たちは家庭や職場、街角で、1日に何度も飲む。
7. 日本|コンビニコーヒーと自販機文化

(photo: Unsplash / Nelemson Guevarra)
日本ではコンビニの抽出コーヒーや缶コーヒー、自動販売機が圧倒的に身近。カフェ文化も広がり、スターバックスなどのアメリカ発のコーヒーショップチェーンや、ドトールコーヒーなどのセルフ式コーヒーショップチェーンが学生やビジネス層に浸透している。
8. フィンランド|カハヴィ

世界有数のコーヒー消費国。軽い焙煎のフィルターコーヒーが主流。甘い物やパンなどと一緒に楽しむことを「プッラカハヴィト」、で、コーヒー休憩のことを「カハヴィタウコ」と呼ぶ。
9. オーストラリア/ニュージーランド|フラットホワイト

ミルクの甘みとエスプレッソを調和させた人気のカフェメニュー。ラテより泡が少なく、コーヒーの味がしっかり感じられる。
10. コロンビア|ティント

「ティント」とは赤色の意味で、コロンビアではコーヒーを「ティント」と呼ぶ。安価な豆を長時間かけて濃く煮出したもので、砂糖を入れて甘くしたり、シナモンなどのスパイスを加えることもある。「Tinto Campesino(農民の味)」として親しまれている。
11. トルコ|トルココーヒー

細かく挽いたアラビカ豆と水を、「チェズヴェ」と呼ばれる専用ポットに入れ、熱した砂でじっくり煮出す濃厚かつ香り豊かなコーヒー。カップに粉を沈殿させて飲み、トルコのお菓子、ロクムやバクラヴァとの相性も抜群。伝統は今も健在。
12. セネガル|カフェ・トゥーバ
スパイス「セルム(ディアル)」を加えた香り高いコーヒー。宗教指導者が広めたとされ、今も国民的飲料として親しまれている。
13. ロシア|ラフコーヒー
エスプレッソ、クリーム、砂糖を一緒にスチームして泡立てる甘い飲み物。地元チェーンが普及させ、ロシア独自の人気メニューとなった。
14. ベネズエラ|グアヨヨ
お湯をたっぷり使って軽く淹れる飲みやすいコーヒー。ポットで抽出し、アメリカーノよりも薄めでマイルドな味わいが特徴。
15. インドネシア|コピ・トゥブルック

カップにコーヒーの粉と砂糖を入れ、熱湯を注ぐだけのシンプルな飲み方。地域によってドリアンやスパイスを加えるアレンジもある。カップの底に粉が残るので、インドネシア以外の国では「泥コーヒー」とも呼ばれている。
まとめ
世界のコーヒー文化は実に多様で、飲み方にはその国の歴史・生活・風土が反映されている。共通しているのは、コーヒーが人と人をつなぐ「コミュニケーションツール」であることだ。
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