ニューヨーク州は21日、店舗が現金での支払いを拒否することを禁止する新たな法律を施行した。キャッシュレス化が進む中でのこの動きは、日常生活にも少なからず影響を与えている。

違反した場合、最高1500ドルの罰金
この法律により、レストランやカフェ、フードトラック、小売店などの対面販売では現金での支払いを拒否できなくなった。「カードのみ」の営業形態は原則として認められず、違反した場合は最高で1500ドルの罰金が科される。また、現金払いの顧客に対して割増料金を科すことも禁止となった。また、事業者がこの法律に違反した場合、消費者はニューヨーク市の行政相談ダイヤル311に通報できる。
なぜ今、この法律が必要だったのか
背景には急速に進んだキャッシュレス化がある。特にパンデミック以降、非接触決済の需要が高まり、ニューヨークでは現金を扱わない店舗が増加していた。一方で、銀行口座やクレジットカードを持たない人々が買い物の機会から排除されるといった問題も浮上。現金払い自体が不利になるケースは多くないものの、現金を受け付けない店舗の増加により、利用できる場面が限られる状況が生まれていた。今回の法律は、こうした“金融弱者”を守るための措置といえる。
なぜ今、カード払いが好まれるのか
現金は帳簿管理の手間や釣り銭の準備、紛失・盗難リスクなどの負担がある一方、カード決済は記録が自動で残り、売上管理や分析が容易で業務効率の向上につながる。また、人手不足や人件費の上昇を背景に会計業務の簡略化が進み、カフェや新規店舗を中心にキャッシュレス化が広がっていた。カード決済では画面上でチップを選択する仕組みが一般的で、結果として支払額が増えやすいと指摘される例も報告されている。
重要なのは利便性と公平性のバランス
カード払いが主流となったニューヨークにおいて、今回の法律は「現金も使える社会」を維持するための一歩だ。利便性と公平性のバランスをどう取るか、その模索が今まさに始まっている。
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