障害のある児童生徒の私立校授業料を公費で負担する制度を巡り、ニューヨーク市が支出の急増と人種間格差に直面している。独立予算局(IBO)によると、給付金は昨年度7億2300万ドルを超え10年前から300%以上増加したが、給付金を受け取っている生徒の圧倒的多数が白人であることがこのほど明らかになった。6日付のチョークビート(Chalkbeat)が伝えた。

白人の支援受給が圧倒的に突出
給付金は公立校では法的手続きで「十分な教育を受けられないと認められた家庭」が対象だが、昨年度に授業料支援を得た児童生徒の約71%は白人だった。一方、市内の障害児全体では白人は12.5%にすぎない。障害児の約75%を占める黒人・ラテン系は、支援を受けた層の24%にとどまった。受給家庭は裕福な地域に住む傾向も強い。
経済・情報取得の格差が要因
背景には、制度を知る機会、弁護士費用、専門評価の取得、授業料の立て替え能力などの差がある。一般的には家庭が先に授業料を負担し、後に市へ払い戻しを求めるため、富裕層ほど利用しやすい。低所得家庭向けに学校へ直接支払う形式もあるが、学校側が敗訴リスクを嫌い、受け入れ先は限られる。対象となる子どもの障害はディスレクシア(読字障害)から注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症(ASD)までと幅広く、ASDの生徒は全体の約3分の1で、平均的な授業料は1人当たり年間14万4000ドルに上る。
ニューヨーク市は私立校関連の授業料や療育サービスに年間10億ドル超を投じており、教育局(DOE)予算の約40分の1に該当する。市当局は、公立校の特別支援プログラムや読み書き指導を拡充すれば、より低コストで対応できると主張する一方、保護者側は、私立校で初めて読めるようになり将来が開けた例もあるとして単純な削減に反発している。財政難の中、マムダニ政権が公平性と費用抑制をどう両立させるかが今後の焦点となる。
アジア系は全体比と同程度の割合で受給
給付金を受け取った家庭のうちアジア系は約9.8% だった。ニューヨーク市公立校の障害児全体に占めるアジア系生徒の割合は 約9.5%とされており、アジア系は白人ほど突出して優遇されているわけではないものの、全体比とほぼ同程度の割合で制度を利用していることになる。
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