ニューヨーク州におけるホームレスの数は急激に増えており、2022年1月と比べて、昨年1月時点で2倍以上になったことが、トーマス・P・ディナポリ同州会計監査官が22日に発表した報告書で明らかになった。増加率は53.1%に上り、アメリカ平均の4倍以上に当たる。急増の要因は、ニューヨーク市への亡命希望者の大量流入だ。州内のホームレスは昨年時点で、15万8000人を超えるとみられている。

ホームレスの子どもの数も、約2万人から5万人弱に増加。州内のホームレスのうち、約3人に1人が子どもであり、この割合はアメリカでもトップクラスだ。ディナポリ氏は「ニューヨーク州は長年にわたり住宅価格の問題を抱えている。多くの家庭が選択肢を失い、路上やシェルターで生活するようになっている」と指摘。流入した数万人規模の亡命希望者については、「ニューヨーク市だけでなく、州全体の地域社会にも影響を与えている。現行の住宅資源の活用方法を検討し、緊急事態対処に向けた行動が一段と必要だ」と危機感をあらわにする。
ホークル州知事とニューヨーク市のアダムズ市長は、手頃な住宅供給を拡大する提案をそれぞれ発表した。ただ、ホームレスの実態を測るのは困難で、移動を繰り返していたり、状況が一時的だったり、表面化しなかったりするケースも少なくない。ニューヨーク州は、ホームレス住宅支援などで5年間総額250億ドル規模の計画を実施しているが、今後の状況は見通せないのが実情だ。
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